無限♾️幼馴染界隈の合法

猫の集会

寝るんかい

 コンコン

 

「失礼しまぁーすっ。ガラガラ」

 

 …

 

 オレの部屋を突然ノックして入って来たのは、幼馴染のカナヨだった。

 

「ガラガラってなんだよ?オレの部屋スライドドアじゃねーし…」

「あ、ここって理科室で合ってます?」

「あってねーよ。」

「あれ?これってなんの生き物ですか?」

 

 オレの顔をペタペタさわるカナヨ。

 

「やめーい‼︎オレは遼也りょうやだよ!てか、なんなんよ?なんの用なん?」

 

 カナヨの手を振り払い、軽く除霊してやった。

 

「えっとー、今日はどうされました?風邪かな?」

 

 

 …

 

「なんだよ……今度はお医者さんごっこかよ?」

「はい!そうだんす」

 

 …

 

「そうだんすって…てか、そんなの求めてねーし」

「あら…そうだんすか。じゃあ、あなたは何をお求め♡?」

「なにも求めてないっ!」

「ふーん、じゃあこの本がどうなってもいいんだ?」

 

 ⁉︎

 

 いつのまにか、オレの読書本がっ!

 

 これは、まずいです。

 

 オレがさっきまで読んでいた本とは…

 

 ほぼほぼ、幼馴染のイチャイチャ恋愛話…

 

「あの…本をどうにか釈放してください」

「いいですわ。そのかわりっ‼︎うーん、そうだなぁ、ならこれから五分間、目を閉じちゃいけませんゲーム‼︎」

「無理、却下」

 

 

 …

 

「なら、仕方ない。この本は、リサイクル行きだ」

「なんでそうなるんだよ…」

「ほんと、それな」

 

 …

 

 

 もー、意味わかんねーって呆れていると、いきなり本が釈放された。

 

 

「で、どうした?彼氏にでもフラれたか?」

 

 オレのこの質問にカナヨは、オレをキッて睨んで、

「彼氏なんかいないの知らないわけないよねぇ?お姉さんがお仕置き致しましょうかぁねぇ?」

 って、頬をペチペチされた…。

 

 オレは、踏んではいけない地雷をわざわざ持ってきて自分で踏むアホです。

 

 

「あ、えと、ごめんなさい」

「うむ、わかればよろしい。くるしゅうないぞよ」

 そう言いながら、カナヨはオレの布団に潜り込んだ。

 

 

「あ、え?なにしてるんだよ…」

「寝るんだよ」

 

 

 …

 

 

 自由すぎるカナヨ…

 

 

「寝んなよ…」

「え、やだぁ♡朝までお楽しみコースとか…そんなわたし…準備が…準備体操が…」

「準備体操って…てかないから…そんなコース…」

「じゃあ、普通のコースで」

 

 

 …

 

 どんなコースだよ。

 

「てかさ…お願い…五分だけ…目をつぶらせてください」

「それ、完全に寝るな」

「それな」

 

 

 …

 

 

 そして、ガチで寝たカナヨ。

 

 

 マジで何しに来たんだか…。

 

 

 まぁ、大体わかる。

 

 カナヨは、たぶん今家にだれもいないのだろう。

 

 とにかく留守番がカナヨは、大嫌いなのだ。

 というか…こわいんだと思う。

 

「寝顔は、かわいいんだよなぁ」

「わかる‼︎」

 

 

 ビクッ

 

「お、起きてたんかい…」

「うん。だって…だって…そんなに近くでかわいいって言われたらさ…奇跡の生還だってするわよ」

 

 

 …

 

 奇跡の生還って…

 

「あー…、なんか…なんか…」

 

 そんな潮らしいこと急に言われたらさオレ…どんな対応したらいいんだよ。

 って、プチパニックしていると…

 

「なんか、なんか何?何が出そう?」

 なんて言いやがるカナヨ。

 

「でねーよ!なんも」

「あー、引っ込んだか」

「なにがだよ」

「てかさ、寝てるのわかる?ね、て、る、のっ」

 

 

 …

 

 

 なんとも厚かましい幼馴染カナヨ。

 

「ハイハイ、おやすみー」

「みー」

 

 

 また、スヤスヤ寝出したカナヨ。

 

 かと思えば、いきなり

「おっはよーん‼︎」

 って、起き上がった。

 

 

 …

 

「びっくりするわ‼︎てか、寝れないんだろ?なら、ゲームでもする?」

「でも…それじゃ読書の邪魔しちゃうし…」

「そもそも、もうめっちゃ邪魔されてるから大丈夫」

「あー、お邪魔界隈のかた」

 

 

 意味わかんねー…

 

 

 とりあえずゲームをしようと準備していると、カナヨがベッドから降りて膝をガクガクさせていた。

 

 

「どうした?」

「え、膝が笑うってやつを実践してたの。ホラ見てて?ガハハハ、ガハハハ」

 

「それは…笑ってるのカナヨだよね?」

「あー、なるほどねー。」

 

 

 …

 

 こんなこと…普通なら、やらないですよね…

 

 特に好きな人の前でとかは、絶対やらないですよね…。

 

 やっぱりオレって…ただの幼馴染なんだろうなぁ…。

 

 

 …

 

 

 よし、気を取り直してっと、

 

「じゃ、ゲーム始めようぜ」

「え、待って…わたし達…今から恋愛ゲーム始まるの?それは、いつまで、、」

「普通のゲーム機で遊ぶやつね。恋愛ゲームじゃないし」

「あー、そっか。バトルするやつ」

「んー」

 

 …

 

「待って、心の準備…するから」

「いらねーよ。どんだけ真面目にゲームする気だよ」

「あ、じゃあ気楽にやっていいやつ?」

「そりゃそうだろ。てかいつもやってるだろうに」

「たしかに」

 

 てなわけで、ゲームしていたんですけど…

 

 カナヨがいきなり、

 

「やっぱり…わたしあのゲームが…したい」

 って、言い出したんよ。

 

 

 え…?

 そんな恥ずかしそうに…

 

 

 それって…オレとの恋愛ゲーム…

 って、ドキドキしてたら、

 

「そのやつ」

 って、いきなり冒険ゲームを指差すカナヨ。

 

 

「紛らわしーやつだな」

「ん?」

「なんでもねーし」

 

 

 …

 

 まったく…カナヨには、振り回されてっぱなしだぜ。

 

 

 …

 

 続く。

 

 

 

 

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