第41話 霧霞、光求めて邁進す
2017年07月20日(木)12時55分 =
「ま、そんな感じ。信じるも信じないも自由だけど。」
そんな風に手のひらをひらひらとさせ、自分にはもう関係のない話かのようにしていた。しかし、その瞳から感じ取れるほどの哀愁を漂わせていた。
「ま、少なくとも私が言えることはだけど。
「だったら、なんだ?俺らに
「そうはいっていない。私はただ、彼女について教えただけ。逆上するのは勝手だけど、それを私に叩きつけようとするのはお門違いというのを理解しなよ。」
「だがよ、お前が!」
「だから何?私はただ伝えただけ。あなたがその子を大切にしている、いや、守ろうとしているのは分かる。だけど、
鼻先が付きそうなほど先輩が
「それで、一つ質問なんだけど。
バチバチとした空気感を裂くように
「ん?ああ、どうだろう。過去私たちが出会った素体は会話ができなかった。だが、少なくともそれは喋れるのだろう?であれば、
「それじゃあ逆に、そのような存在も見たことがあるの?」
「ああ、もちろん。
あぁ...、またいつものテンションが戻り始めてる...。まあ、そっちの方が空気が重くなりにくいしいいか。
「あ、そうだ。そろそろ
そう言って先輩から見覚えのある
「それ...、
それを見たレイちゃんは大きく目を見開きまじまじと私の手のひらに乗せられたそれを見つめ、観察している。
「中身は入れ替えたけれど、袋は元のものと同一のものだよ。もし、危険な目に遭いそうになったらそれを使ってね。
そう笑顔で言われるが、先ほどの表情からころころと変わっているためちょっと恐怖心が混じってしまう。しかしながら、それ以上にその袋をどこで見つけたのかという驚きの方が上回り聞いてみると、「そこの灯篭にあった。」と、木陰に隠れていた古ぼけて苔むした灯篭を指さした。
「念のためだよ、念のため。いやぁ、本来なら倉庫の移送を予定していたんだけどそうもいかないかぁ...。」
「倉庫の移送...?もしかしてそのためだけに僕たちを連れてきたのか?」
「んぇ?うん。私が昔住んでいた部屋を倉庫代わりに使っていたんだけど、いろいろあった結果引き払うことになってね。その手伝いとして連れてくる予定だったんだけど、残念ながら今は手が空いていないみたいだし私一人だけでやってこようかなって思っていたんだが。もしかしてだけど、手を貸してくれたりするのかな?」
「いや、
「少しでも感心した私の感情を返してほしい。」
先輩とレイちゃんの二人がコントのような会話をしているが、実際
「先輩、今からその部屋に行くことって...」
そう私が言葉を紡ごうとした瞬間、草葉が揺れ、土砂を踏みしめる音が一段、また一段と大きく、そして近く聞こえる。
全員の意識がそちらに向いた瞬間、エメラルドグリーンのような色をした髪色をし、紫色に鈍く輝く瞳をした女性が現れる。そして、先輩が驚いた口調で言う。
「
その言葉に対して、彼女は瞳にさらなる明るさを灯し、静けさを纏った言葉で言う。
「ここで...、
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