後編
その夜、タクヤはポスターの顔を思い出しながら寝つくことができませんでした。そして、夢の中に、ポスターの一人が現れ、彼に向かって手を伸ばしていました。目が覚めると、タクヤは急に不安に苛まれました。急いでポスターの写真を見直そうと、撮影したデータを引っ張り出しました。
だが、彼が見たポスターには、自分の顔が映っていたのです。驚愕して後ずさりした彼は、自分の名前が書かれているのを見つけました。その瞬間、部屋の壁がひび割れ、冷たい風が吹き込んできました。彼は気が狂いそうになり、すぐにアパートを飛び出しました。
外に出て、息をつく間もなく、彼の目の前にハヤトが現れました。ハヤトは異常に冷たく、目は迷いのないようでした。「タクヤ、どうした?」
「ポスターに…俺が映ってた…!」彼は必死で叫びました。
しかし、ハヤトは微笑み、彼に向かって一言言いました。「次は俺の番だ。」
タクヤの心に恐怖が広がる中、ハヤトはタクヤの手を引っ張り、アパートの中に戻ろうとしました。彼は逃げようとしますが、急に足が動かなくなり、動けません。目の前には、失踪した住人たちの顔が次々と現れ、彼を見下ろしていました。
それからしばらくして、警察がアパートの1号室に人が住んでいないことを報告しました。数ヶ月後、テロップには「新たな住人が失踪しました」とだけ書かれていました。そして、奇妙なことに、その隣には新しいポスターが貼られ、映し出されている次の失踪者の顔が映し出されていたのです。
その中には、タクヤの顔も含まれていました。
古びたアパート 天蝶 @tenchoo
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