第4話 学園案内

「ここが職員棟です」

「へー、ほんとこの学校広いねー。棟ごと色々分かれてて」


 僕もそう思う。無駄に広い。


 この学校は職員棟、理科棟、実技棟それと食堂、図書室や普通の教室が入っている中等部と高等部の2つの一般棟がある。

 更に言うならば、学校の敷地内に男女それぞれの寮があり、文房具や服、食材を買える店もある。

 全寮制なので規模もそこそこ大きい。

 移動するのが面倒くさいぐらい敷地も校舎も広い。


 ちらり、と腕時計で時間を確認する。


 9時40分を過ぎている為、もう二限目が始まっている。だから辺りはシーンとし、今は僕達の声と足音しか聞こえない。


 案内を始めてやっと半分と少し終わったぐらいだ。

 一限目が始まる前から案内しているのに。

 そんな広い学校の案内を丁寧にしても大変面倒臭いだけな為、僕は必要最低限の言葉だけで説明している。


 柏野さんは説明を受け、その感想を述べるその繰り返し。

 それはこの学校に感心しているようで、それでいてどこか呆れているよう。それらの感想に適当に相槌をしながら説明を続けた。


 理事長室の近くになると突然、「あっ!」と何かを思い出したように声を上げ、彼女は僕の方を向いて止まった。


花京院怜かきょういん れいさんってどうゆー人なの?」


 どうして、あの胡散臭い野郎のことを知っているのか。

 彼は僕と同じ偽物の笑顔をいつも貼り付けている。


「その人は生徒会執行部の副会長です。それより、どうして花京院先輩のことを聞きたかったのですか?」


 そして僕の問に彼女は、今日の朝から今までの間に学校で起こったことを話し出した。

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本当の君 しの @shino-h

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