太陽の巫女
焔
プロローグ
今からおよそ千六百年ほど前のことである。日本は
後漢の
それから数十年後。倭国は戦国時代と化していた。国同士で日常的に戦をし、大いに乱れていた。
イト国(伊都国)、ヤマト国(邪馬台国)、トウマ国(投馬国)、フミ国(不弥国)、マツラ国(末蘆国)などの国々が北部九州のエリアだけでも戦をし合っていた。
だがこんなことをしている場合ではなかった。
九州南部には熊襲や隼人、東方には出雲や土蜘蛛がいて、さらには勢いを伸ばしつつあった
そこで各国々の首長同士が集まって会合を開いた結果、民衆をまとめる聖職者を王にすべきということになったのだ。
どこの国にも神を祀る巫女がいる。巫女にも種類がいてどの神を祀っているか、どのような呪術が使えるかどうかというような違いがある。さらには国々の民をまとめるには民衆から指示を得られるカリスマ性がなければならない。
数多くの呪術にすぐれた巫女たちがいる中で女王に選ばれたのは呪術の才はあれど、呪術の才に恵まれた有能な巫女たちではなく、平凡な巫女であった。
その巫女は
那美は呪術の才は平凡でも歌や踊りに優れ、見た目も良く人を惹きつける魅力があった。
その魅力で荒れていた倭国をまとめ上げたのであった。
那美には
ナミとナギは恋人同士だったがナミは神を祀る巫女にして民衆から信仰を得る言わば偶像アイドルだった。当然公おおやけに恋人同士になることはできなかった。
それから二十年後。女王国は出雲と同盟し、纏向へと都を移した。
遷都後、ナミは自らの後継者をそろそろ探し出さなきゃいけないと思い、巫女を育成する機関巫女寮を創設したのだった。
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