第3話

「た‥太郎、俺‥幻見たかも知れへん」



「いや、俺も見た」



「「宗が、笑ろとった」」



見事なハモりのダンディー's。



ジンジンする額を撫でながら、2人を見ているとふわっと香るムスク。



「セナ、痛いのか?」



打った所を撫でている手を掴むと、真剣な顔で私の額をジッと見る。



「ぶッ」



目に涙を浮かべながら、噴き出すそおちゃん。



「ククッ悪い。セナ、大きなタンコブができてるぞ‥ククッ」



--‥悪いと思っている様には、全く見えないんだけど。



「ホンマ、世那とおる宗は別人や」



関心した様子の次郎さん。



「別人?」



「そやで。宗とは結構長い付き合いやけど、こうして笑うところ、初めて見たわ」



胸の前で腕を組み、うんうんと1人納得している。



「太郎」



「ああ、そこのコンビニ入るわ」



--‥えッ?



そおちゃんと太郎さんの会話って、



今ので通じてるの?

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