第17話 タイトルから広がる

 今まで軸がないまま書こうとしては、うまく筆が乗らなかったのですが、今回タイトルと出会ったことで、作品の方向性が定まったような気がします。


 特にラストどんな終わりにしようかで悩んでましたが、子どもイコール蝉と例えたら、「子どもにとって羽化する夏は、きっとまだ先だけれど、でもいつか来る」みたいな、親としては子どもを待てる状態になるのが一つのアンサーなのかなと。


 これはもう大先輩たちにいろんな場所で言われてきました。特に予後が良いお子さんやお家は、不登校を楽しめる、どーんと構えて、がはは! と笑いながらなんとかなる! と前向きさを失わない親御さんだそうです。


 いやもう、その域に到達するのに何年かかるんだ! ってな感じですが、せめて作品ではそう有りたい。それでも親ができるのは人知を尽くして、子どもの天命を待つしかないわけで。天命=子どもの時間なんですよね。


 というわけで、今回始めて終わりをなんとなく決められたので、そこからさかのぼって、オープニングにつながる物語になるといいなと。


 いわゆる、エンディングを読んで見たら、オープニングをまた読み返したくなるような、そんなちょっと美しいというか仕掛けのある作品にチャレンジしてみたいのでした。


 まぁ、本当に、思っているものの書けるんだろうか? いや、もう書くしかないだろう、みたいな心境です。清水の舞台からえいや! と降りて見ようかなと。


 でも、多分今までとは違う挑戦がしたいので、選択できるんだと思います。ちょっと変わりたいんですね、自分が。

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