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瑞穂 檀

第1話 ささいなこと

 じゃり

 口の中で音がしたが、何かはわからない。

 皿の上の食べかけに心当たりになるものは、ない。

 口の中のものを咀嚼する。音がする。

 口の中からでなく頭の中で、じゃりじゃりじゃり。

 飲み込んだら、音が消えた。

 それだけ。

 何を食べていたかも、今はもう忘れた。ただ、それだけ。

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