第8話

俺達はヤツの屋敷の前にいる。


「ラート、何やってるんだ?」


「放火だよ、放火。この屋敷が残ってると、胸糞悪い。」


ここから出る間、部屋中の燭台を壊し、酒瓶を壊し

油やらアルコールやら

たっぷり撒いてやったんだ


コイツのせいで、俺は死にかけたんだよ。いーだろ、腹いせだよ。



「リルさん、やって」


「は、はい…フォトン!」


リルの指先から光が迸る。


「おー、絶景だな。」


「ラート…お前、性格変わってないか?」



「あー、俺、ラートじゃ無いんだ。ヒカルって呼ばれてる」


「どういう事だ」


俺は、事の次第を二人に話した。


「じゃあ、ラートは…」


リルが寂しそうに俯いた


「大丈夫だよ、だって俺生きてるし。神様がラートと俺の魂を入れ替えてくれると思うよ。そもそも、神様の頼みでここに来たんだ。」


「そう…それなら…」


少し

リルに笑顔が戻った。


「まて、この話が本当なら残り半日しかないぞ。神殿にいかないと。」


「神殿?」


「リルは神殿の巫女だ。彼女に伝えてもらわないと」



「近くにあるのか」

心配になって俺は尋ねた




「歩いて3日かかるぞ」

ジュウは困った顔でアゴを触ってる




「え、2時間歩いた所にあるじゃない。」

リルが驚いて言うが…



「アレはダメだ。肝心の霊石が壊れてた。」


「そんな…」

リルは肩を落とした





えっ?マズイじゃん、俺。

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