第4話 メール 2
次の朝
『おはよー。昨日は、夜遅くにメールして迷惑だったね。ゴメンね。
20年の胸のつかえがとれた感じで、スッキリしました。
今度、長野に帰ったら 誘うから、ご飯付き合ってよ。 中野 』
はぁ…………
朝から何だよ……
おまえ、人妻なんだから、俺を惑わせんなよ。
俺は、坊主だぞ!!坊主がそそのかされて どうする!!しっかりしろよ、俺!!
俺にとっても、おまえは初恋の相手だ。
それは、おまえには言わないけどな。
一緒にメシ食うくらいだったら いいのかな……
『わかった』
それだけで送信した。
その後、中野からのメールはなかった。
俺は、携帯ばかり気になってしまった。
俺から中野にメールするのは、やっぱりマズいよな?
3週間ぶりに中野からメールがきた。
『何年も連絡すらとってなかったのに、メール迷惑だよね。
今でも好きだって、田坂のこと 口説いてるわけじゃないんだけど、 なんだろうなぁ……
すごく 会いたい気持ちでいっぱいです。
そんなこと言われたって、迷惑だろうなぁって思うけど。
なんだか、すごく昔を懐かしく思う 今日このごろです。 中野 』
おまえ ストレートだな……
俺を口説いてるわけじゃないなら どうしたいわけ?
惑わせんなよ……
こんな会いたいなんてこと、もっと前に おまえ結婚する前に言っとけよ!
俺は坊主だぞ。
節操のないことはできないからな……
これさ、下手したら不倫に直行パターンだぞ!!
おまえにその気がないのは わかってるよ。
でも、女から『昔好きでした 会いたい』なんて言われたら、普通 独身の男なら ほぼほぼ
『じゃ、会おうか!』ってなるじゃん。
車で食事に出かけて、食事の後に車で軽くキスして、ホテル行く?なんて誘えば100%ヤレちゃうパターンだろ。
人妻とヤリたい男なんていっぱいいるんだからな。
俺もおまえも、もう 純情だった中学生じゃないんだから。
俺じゃなくて、他の男に こんな告白してたら、幸せな家庭を壊すことになってたかもしれないんだぞ!
そんなこと、おまえは、これっぽっちも思ってないだろうけど……
『迷惑ということはないけど、思い出は美化されるからね』
『わたしね、思い出を美化してるんじゃないんだ。
どっちかと言うと、後悔の念が強い。
何もできなかった自分、言いたいことも伝えられなかった自分を悔いてるんだ』
はぁ……悔いてるのは 俺も一緒だな……
『後悔してても、そうゆう経験があったから、
今の家庭、幸せがあるって考えれば、人生においては自分にプラスになってるんじゃないのかな?
俺もそうだけど後悔することはいっぱいあるよ。
だけど、その後悔から学ぶものもあるって、前向きに考えていくしかないと思う』
『そうだよね。
わかっては いるんだけど。
ごめんなさい。
遅くまでくだらない話に付き合わせてしまって。
おやすみ』
もう1時か……
おせーよ。
マジ……おせーよ……
後悔か……たくさんあるな。
中野、こんな20年も経って後悔するくらいなら、ひろと別れてすぐに電話してくりゃ良かった
じゃねーか。
ひろと別れたのって、大学入ってすぐだっけ?
俺は、愛知の大学に入ったから愛知にいたけど、中野から電話ありゃ ふっとんで帰ってきたと思うよ。
バカ、もう遅すぎんだろ……
中学卒業してからは、部活の練習試合で会ったことと、大会で会ったことと、ひろんちでバッタリ会ったな。
あとは、同級会くらいだよな。
ひろの彼女。
ひろの元彼女って風にしか見てなかったな……
おまえも俺に対して、そんな態度だっただろうが……
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