護衛騎士と治癒術師　～『不死』の彼女に私の治癒術は必要ないらしい～

少女――ロティエ・レヴナは希少とされる治癒魔術の使い手である。
そんな彼女は『サイファード王国』の騎士団に所属し、要請があれば戦地にも赴く日々を送っていた。
人を癒すことを使命と思っていた彼女であったが、ある日魔物の襲撃を受けて絶体絶命の危機に陥ってしまう。
そんな彼女を守ってくれたのは、専属の護衛騎士になったという少女――クゥナ・ハーヴェルだった。
魔物を倒したクゥナであったが、その戦いで大怪我を負った彼女に対し、ロティエはすぐに治術術を施そうとするが――

「す、すぐに治療しますから……！」
「ん、平気だよ？　ほら」
「え、傷が、治って……？」
「わたしの身体はね、勝手に治るようになってるの。だから、治療とかそういうのはいらないんだ。便利でしょ？」

――不死の身体を持つという彼女は、ロ…続きを読む