第14話 変態メイドの暴走

「…え?」


 焚き火を囲んで、温かいものを食べているはずなのに、なぜか一瞬寒気がした。夜風のせいだろうか。


「いやぁ、やはり優火から聞いていた通りとても小さくて可愛らしいですね。彼女の目は間違っていません。そりゃ気にいらないわけがないでしょう」


 そんな声が聞こえ、恐る恐る振り向くと、そこには頬を赤らめたメイドの姿があった。


「…あ、あの、美咲さん?」


 彼女の目を見ると、まるで大好きなぬいぐるみを見る子どものようにふにゃけた目をしている。怖い。自身が美人であることは、師匠からも言われていたし、それを理解しているつもりではあった。だが、これは、そういったものに向けられる目でなかった。

 

 すると突然、目の前から抱きしめられた。


「え、ちょ、え?」


「やっぱりいいですねぇ。見込みどおりです。柔らかくてほどよく筋肉もあって、何よりお嬢様には無いものを持ってますからねぇ」


 そんな事を言いながら彼女は私の胸を揉んでくる。思わず変な声が出そうになってしまった。なぜだか手慣れているように感じたのは気のせいだろうか。


 嫌な訳では無いが、迷惑なのでロゼリアに助けを乞うような目線を向けると、いい笑顔でグッと親指を立て、自身のテントに逃げるように入っていった。


「うへへへ、もうお嬢様は行ったかしら?じゃあ、もう誰も見てないってことよねぇ。」


「____終わった。」


 そうボソリとつぶやいた。


 このあとの記憶は、もう覚えていない。思い出したくもない。翌日に疲れが残ったのは、確実にここであったことが原因だろう。


 私は翌朝、朝早く起きた。あまり眠れなかったし、疲れていたのか、少し服がはだけていた。昨夜あったことは…思い出したくない。少し変な記憶がある。


 テントを出ると、私よりも早く起きていたロゼリアの姿があった。


「…ゆうべはおたのしみでしたね。」


 なぜか少しだけ呆れの混ざった、同情するような目で私を見てきた。彼女も食らったことがあるのだろうか。だとしたら、昨夜逃げたのも仕方なかったのかもしれない。助けては欲しかったが。


「…はぁ」


 返す言葉が見つからず、ため息を吐く。もうつかれるのでできればやりたくない。最も、奴隷だった頃よかよっぽどマシだが。


 美咲さんが起きたのは一時間ほどたってからだった。





_____注釈

・このメイドはロリコンでありショタコンです。あぶないひとです。

・もうすでにロゼリアは食らってます。というか、こいつに仕えている理由の四分の一くらいはそれです。もちろんそれ以外の理由もあります。なので頻度は少ないです。(まったくないわけではない)

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