掌にした能力(ちから)は悪か正義か?
Rim
プロローグ 平凡な人間とは何か?
「ようこそ」
「ここは誘われた者だけが
来れる場所です」
「ここが何処か?
異世界とでも思ってどうぞ」
「では初めに
あなたに問う 人は何の為に生きるのか?」
「人を愛する為、人生を豊かにする為
何かの目標を見つけたから、色々考えがあると思う」
「じゃあ、質問を変えよう。」
「人とはなにか?
何故生きているのか
何故死ななければならないのか」
「これだけでも簡単には分からない
深く考えるほどに難しくなっていくだろう。」
「答えは何か? 簡単だ、そういう運命だからだ。」
「生きるのも死ぬのも 《運命》 だとそう思うと簡単に受け入れてしまいそうだ。」
「人とは何か、それは運命によって
道筋が決められた生き物だと僕は思う。 」
「さて、前置きが長くなったかもしれない
今からする話はね、僕が知る限りの面白い
《運命》を辿ったとある人間の話だ。」
とある家庭に俺は生まれた
〈神崎 雅(かんざき みやび)〉
それが俺の名前だ
家族は優しいし、ご飯も美味しい
普通の家庭で普通に育ち普通に生きている
今は17歳になり俺は平凡に過ごしている
学校は楽しいし、友達もいる
学校が終われば家に帰り、いつも通り
だらだら過ごしている。
学校が終わり1人帰る
(今日は帰りに寄って行こう)
そう思い、俺は学校帰りにケーキ屋さんに寄った
買った後、少し歩き着いた
「久しぶり母さん、元気にしてる?」
そうお墓の前で俺は言った
「俺は最近この生活に退屈を感じてきたよ、
こんなこと、母さんに言ったら心配させちゃうね」
心の中でごめんねと思いながら袋からケーキを出す
「母さん今日誕生日だね、母さんに買ってきたよ
チーズケーキ、母さん好きだったもんね」
お墓にケーキを供えて、少しして心の中で色々な
感情が現れる。
「はぁ、疲れた」
そう言い涙を拭って荷物を持った
(家に帰ろう、そして終いにしよう)
お墓をもう一度見つめ家に帰る
少し歩きながら考える
俺は何の為に今生きているんだろう
両親はいなくなり、俺はひとり
平凡で寂しい生活を送り、特に何もすることがない
このままならば、いっそ死んだほうが楽になるかもしれない。
そう考えてると
耳にクラクションの音が大きく近づく
ハッと気づき横を向くと、大型のトラックがこっちに向かって来る。
俺はふと思った
(これが俺の運命か、悪くないのかもな)
まだ死ぬな
何かがそう言い俺は意識を失った
なにか感じる
寒い、とても寒い
暗闇の水の中に居るみたいだ
「ここは天国なのか?」
そんな事を思いながら身体を動かしてみる
動かしてる感覚がない、だが
不思議と不安にはならない
このまま何も考えたくないと思い眠りにつこうとした
「い、おーい!きこえ、か ?おき 」
何か聞こえる、身体が暖かい、目を徐々に開ける
「おい!聞こえてるのか!起きなさい、 雅 」
目が覚めた
先生だ 目の前にいる
開いた目がパッチリ開いたままだ
何が起きたか分からない
「俺はさっきトラックに、」
先生は頭に?を浮かんでいるような顔をする
「お前は何を言ってるんだ、よく俺の授業で寝ようと思ったもんだな」
先生はため息をつき頭目掛けて軽く
ビシッとチョップを食らった
俺は冷静に考える
(数学の授業中をしてる?
しかも、これは今日の授業と全く同じ
なにがどうなってる)
授業など頭に入ってこず、考えていた
先生が俺の名前を呼んでる
「雅、具合でも悪いのか?」
先生がこちらを見ながら言う
「保健室行っても大丈夫ですか?」
俺は先生にそう言い先生もまた
「そうか、具合が悪いならきちんと言いなさい」
俺は教室を出て保健室に行き
ベットで横になりまた考えた
学校が終わり帰りにずっと考えた結果
ひとつの考えが出た
「これはタイムスリップやリープそれ系統のものなのか?」そう考えたら少しだけ楽に理解が出来る、それと同時に何故そのような事が起きたのか?
俺は平凡な人間で何も成してない、普通に生きてきて普通に過ごしてきた。
空想のものを信じることもないし、理解出来ないことが起きたら腰抜けることもあるだろう。
だが、実際起きれみれば信じてしまうし
腰が抜けることはない。
不思議とこのような能力?が手のひらにあるかのよう
息を吸うようにと使うことが出来そうな気もする。
平凡な人間は何かを手に入れると平凡では無くなってしまう、そういう言葉を何かの本で見た気がする。
何だっただろう、思い出せない
それより今はこう思ってしまう
(この能力があると全て出来る気がする。)
そんな厨二病じみた事を思ってたら家に着いた
帰ってきてふと思い出した
小さい頃、お父さんの部屋にあった
本に書いてあったんだ。
そしてこうも書いてあった
《人間は力を手に入れると
善に使うか、悪用するか
大半は悪に使うものが多いのだ》
これは勝手な想像だ
人間とは本来心が悪で出来ているものなのかもしれない。
心が悪で出来ていて生きていく内に自然に心が善で満たされていくのかもしれない
満たされないならどうなるか?
《悪で心が埋まってしまう》
満たされた人間と満たされない人間では当然違う
満たされなかったら人は終わりなんだろう
それが人間の、人という生き物の
辿る《運命》だと俺は思う
俺はこれからどうなるのか
自分の心が悪で染まってしまう
そうも思うし、善にも染まれそうだ
この能力はどういう風に使うのが良いのか
たったさっき俺は平凡から超人になったんだろう
そんな俺がどんな運命を辿るのか
楽しみだ
「さて、僕の知る限りの面白い人間の話はどうだっただろう?」
「実に興味深いことだろう。
今話したのはほんの一部に過ぎない
起承転結の起というものだろう」
「ん、僕の名前かい?
知らない方が面白いだろう。」
「それでは最後に締めとして」
「この人間が持った能力
これをどう使っていくのか、そしてこの人間がどういう《運命》を辿るのか」
《どうぞ最後まで、お楽しみあれ》
掌にした能力(ちから)は悪か正義か?
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