家族の中の矛盾
まさか からだ
第1話 家族だけにイライラしてしまう。家族なのに憎い。
家族だけにイライラしてしまう。家族なのに憎い――。最近の僕はおかしい。
「もう、いい加減にしろ!」
僕は毎日、怒りが大炎上し、家族に激しい怒りをぶつけ、時には暴力を振るってしまう。
親なのに憎い。パートナーなのに大嫌い。子どもを可愛いと思えない。
仕事場や友達の前では、僕は怒りを抑えることができる。
けれど、家族の前ではどうしても止められない。怒りや悲しみ、不安が大爆発し、激しい怒りや暴力にまで発展してしまう。
その後は、同じくらい自己嫌悪に陥り、自分を責める。
「いつか家族に大変なことをしてしまうかもしれない……。僕はどうすればいいんだろう……。」
ある日、本屋で一冊の本に出会った。その本にはこんなことが書かれていた。
『「親や子ども、兄弟姉妹を憎むのは当然」だから、まずは自分を認めてあげましょう。』
『親しい人に対して激しくイライラする。その時、あなたの心は破綻寸前の危ない状態かもしれません。今すぐ自分を休ませてあげてください』
その瞬間、僕の身体にビリビリと温かな雷が落ちてきた。
涙がこぼれ、胸に何かがこみあげてくる。今までの家族との記憶と自己嫌悪が走馬灯のように駆け巡りながら、僕の身体が熱くなる。
「そうだったんだ……」
僕が探し続けていた答えが、ここにあった。
本屋の中で、必死に涙をこらえながら、僕はその本を読み続けた。
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