日常の中で「当たり前」となっているものが揺らいでいく感じ。SFならではの『もしも』な可能性が描かれていて面白かったです。
ある宇宙船の中で起こった「危機的状況」を描いた作品。
遠い未来、二種類の星の人類が登場した宇宙船の中で、ある問題が発生する。「酸素の必要量」が異なる二種類の人々が乗っていたが、どう考えても必要な酸素供給量を下回っていることが判明する。
「酸素」、「宇宙船」という単語が出たことで、「冷たい方程式」な感じの話になるのだろうか、とゾワゾワしながら読み進めました。
でも、作品で描こうとしている「テーマ」はそれとは別のもので、「こういうものの見方もあるのか」と感銘を受ける形になりました。
現代の人類、特に日本人が「当たり前」に捉えている「ある概念」。その概念が未来の世界においては絶対的なものではなくなっているかもしれない。それどころか非合理なものとなり、致命的な不具合を起こす可能性がある。
物事を把握するための大前提。そういう基盤が実はあくまでも相対的なものに過ぎないのではないか。そういう事実を提示してくれる、とても読み応えのある作品でした。