転生男爵家 ~おっさん、異世界で魔法と筋トレ始めます

シュバリエ

第1話 プロローグ


~プロローグ~




遥か彼方、時の流れがまだ今ほど定まらなかった遠い昔。


とある銀河には、一つの種族が存在していた。




彼らは驚異的な知性と技術力を持つ種族だった。


科学、思想、哲学、芸術——すべての分野で卓越し、この世の真理を追い求めることを至高の目的としていた。


彼らは、ただ知識を蓄えるだけでは満足せず、新たな生命を創造し、銀河中に種を蒔いた。


広大な宇宙に新たな命を吹き込み、その繁栄を見届けることこそ、彼らの喜びであり、使命だったのだ。




だが、ある時、彼らの中で一つの争いが生まれた。


この世の真理への到達を巡る意見の対立が、やがて種族全体を二分する大きな亀裂を生んだのだ。




片や、真理は一部の者が支配し、独占するべきだと唱える陣営。


片や、科学技術を用いて自由な探究を進め、全ての者がその恩恵を享受すべきだと信じる陣営。




激しい議論は、ついに戦争寸前の緊張状態にまで達した。


それでもなお、自由と技術を重んじる陣営は、争いそのものを憂い、血が流れる未来を避けるべく、仲間たちと共に故郷を離れる決断をした。




彼らは無数の星々を越え、遥か彼方の銀河を目指した。


終わりの見えない旅路の果てに、彼らがたどり着いたのは、まだ若く、命の息吹すらない新しい銀河だった。


その銀河の一角に浮かぶ青き惑星——生命が生まれるには最適なこの地を選び、彼らはついに降り立ったのだ。




ここからが新たな始まりだった。


彼らは自らの知識と技術を注ぎ込み、この地に多くの命を育んだ。


その中には、のちに人間と呼ばれる種族の元となる存在も含まれていた。




彼らはこの新たな命たちの成長を静かに見守り、時にはその進化を助けることもあった。


だが、彼らの行動には時折、謎めいた側面が垣間見えた。


なぜ古代人は自らの血を新たな命に分け与えたのか——それを知る者は誰もいない。


研究のためだったのか、それとも単なる好奇心だったのか。




それは偶然だったのかもしれない。


それとも、意図的だったのかもしれない。




こうして、古代人と新たな命たちとの間に交わりが生まれ、その結果、古代人の遺伝子はこの銀河に新たな形で息づいていくことになる。


やがて、彼らが残した遺伝子は長い年月を経て、「魔法素粒子」に適応する特異な変異を生み出し、後の世界に深い影響を与えることになる。




ただ一つだけ確かなのは、古代人が新たな命を単なる観察対象としてではなく、未来への希望として見ていたということだ。


彼らがその選択をした真意は、深い謎の中に包まれている——。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る