第一章 学校編
第1話 先輩と後輩
もうすぐ凍えるような寒さの季節が終わる。
私の好きな人とは、あと1年しか一緒にいられない。
私は雅(みやび)、高校1年!
トロンボーン担当で、イケメンって言われてる!
そんな私は先輩の、珠羽先輩が好き。
珠羽先輩は、高校2年生のフルート担当の優しくて可愛い先輩。
日に日に傷が増えてる気がして、すごく不安…。
大丈夫かな…?
そんなことを考えながら登校していると見覚えのある背
中が見えた。
「あ!愛理(あいり)先輩!」
「あっ!雅ちゃん、おはよう」
長い髪をハーフツインにしてるこの人は3年の愛理先輩。
楽器はトランペット。
誰にでも優しくて可愛いの!
「最近はどう?」
「音楽祭の曲を練習してます!」
部活の方かな、と思い練習のことについて話す。
先輩たちの卒業式に吹くことは多分バレてるけど、一応言わないでおく。
「ちーがーう!珠羽ちゃんの方!」
「えっ!」
珠羽先輩のこと好きって知ってるし…いいよね。
「えっと…珠羽先輩が…すぎる」
「ん?」
「可愛すぎるんですっ!!!」
「ほぉ…」
あ、呆れてる。
「すいません…こんなことしか言えなくて」
「ううん、愛情が伝わる」
優しすぎない?この先輩。
「あ、じゃあここで」
昇降口についたので、先輩と別れて教室に向かう。
「おはよ~」
「おはよう!」
「おはよう」
「はよー!」
教室にはいると、みんながあいさつをしてくれた。
「おはよ〜!」
それに負けない勢いであいさつをする。
「あ、おはよう!雅」
「おはよう、夏希(なつき)」
クラスの中でも一番中のいい夏希と挨拶を交わす。
夏希は、背中まで伸びた髪を高いところでポニーテールしている。
「聞いた〜?あの噂!」
「噂?なにそれ」
珍しく、噂話を持ってきた。
「なんかー2年生の中でイジメ起きてるらしいよ」
「ええ〜?嫌だなぁ…」
先輩たち、巻き込まれてないといいけど…。
「おーい!雅ちゃん!」
この声はっ!!
勢いよく声のする方に向く。
ぱあっ!!
「珠羽先輩!!」
走って教室のドアへ向かう。
「おはよう、雅ちゃん」
少しふわっとした腰まである髪をハーフアップにしてて、誰もが憧れるめちゃくちゃ綺麗な瞳、そして小さな顔にすらっと長い脚!この、誰もが憧れる様な人は
私の大好きな珠羽先輩!!
「おはようございます!珠羽先輩!!!」
隣に並ぶと抱きしめたくなる。
胸の中にすっぽりと収まりそうだ。
「元気だねぇ」
「はい!どうしたんですか?」
1年生の教室に何のようなんだろう?
すすすっ好きな人がいるとか…?
「雅ちゃんに会いたくて」
………雅ちゃんに会いたくて…?
「えええ?!ホントですか?!」
「飲み込み遅ぉw」
わっ私に会いたくて来てくれるなんて…!
「まあ、同級生の人たちから逃げてきたんだけどね」
「なんで…?」
あっイジメ起きてるんだったけ。
気分悪くて来たんだろうなぁ…
「あれっ!珠羽先輩!」
「千保(ちほ)ちゃん」
珠羽先輩先輩に声をかけたのは隣のクラスで同じ部活の千保ちゃん。
クラリネット担当で、まっすぐの髪を1つに束ねてるちょっと自由人。
「あれっ雅もいるじゃん!」
「おはよう千保ちゃん」
「おはよー!ところで、珠羽先輩今日の部活って―」
キーンコーンカーンコーン
「あばっ予鈴鳴った!」
「じゃあ、珠羽先輩また!」
「ばいばーい」
走って教室に向かい、席に着く。
「ちょっと!何してたの?!」
「ごめん、先輩来ててっ」
少し怒った夏希に言われたので、先輩と話してたことを話す。
「もぉ…私の好きな人来たときはほったらかしにするから!」
「もちろん!話しておいで!」
「むううっ行ってくる!」
多分これは、私に対して怒っているのだろうでも、私には効かない。
「で?そっちはどうなの?」
「んー?あとでね」
キーンコーンカーンコーン
待ってましたと言わんばかりにチャイムが鳴り、先生が入ってきた。
「はい、おはようございます、」
「「「おはよーございます」」」
挨拶をしてから先生の話を聞いてホームルームを終わらせる。
「1限目は体育?」
「そうだよ、」
「どうしたの?」
夏希が、なにか言いたそうだったので訪ねる。
「あっ、あの…話聞いてくれる?」
「いいよ、あれね」
〝あれ〟と言うのは夏希が好きな人『結翔(ゆいと)』の
こと。
「あのねっ!この前好きな人いるかって聞かれて『どう思う』って言ったのそしたらー」
「えっ?!」
「『え、いるの?マジかぁ…』って」
「「キャーッ」」
そんな話をしていたら校庭に着いていた。
「走るかー」
運動は得意、気持ちいいし、楽しいから。
小さい頃やってたっていうのもあるかもしれない。
「えー今日はサッカーをしまーす」
へぇ今日サッカーやるんだ。
私の考えていることとは真逆のことをみんな入っていた。
「ええっ?!」
「サッカー部ずる!」
なんてやりたくないという人とか。
「うえーいっ!倒してやる!」
「負けねえ!」
「バレーよりマシ!」
なんて喜んでる声もあった。
チーム分けをしたところ、3人班らしい。
私と真宙(まひろ)、柚子琉(ゆずる)の3人になった
別に男子だとか関係ない。
私が好きなの先輩だし!
「柚子琉、真宙、よろしくねぇ」
「おお広島、よろしくな」
「誰が都道府県だ!雅って呼べ!」
私は、苗字が好きじゃないだって広島県じゃん!
(世界の広島さん、ごめんなさい)
「よろしく、雅」
「よろしく!真宙!」
挨拶を済ませて作戦を立てる。
「で?私がいるからには勝つから!」
「強いもんなお前」
「そうだねー」
なんで私が強いことを認めるの?!『負けてねぇ!』って言うのが好きなのに!
とか思いつつサッカー部に勝つ方法を少ない時間で考えた。
いざ!試合開始っ!
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