第52話

ふわあとあくびをしていると、扉が開く音がする。「へ?」と変な声が聞こえて、振り向く。そこには、幼なじみがいた。

 目が合った途端、「久しぶりだね、咲弥くん。」と笑う。ちらちらと月野の方を見ては、俺に笑いかける。

「咲弥、知り合い?」

「・・・・・・。」

「え、きみ、誰?」

 何も言わない俺に呆れたのか、月野が直接問いかける。

「あ、ぼく、大木傑っていいます。咲弥くんの幼馴染です。」

「へえ、幼馴染か。すごいね。あたしは月野真衣。好きなように呼んで、傑。」

「え、あ、はい。」

 月野が笑うと、傑は驚いたのか目を大きく開く。

「なんで、いるんだ?今は授業中だろ。」

 俺が言うことではないだろうけれど、どうして傑がここにいるのか、分からなかった。

「なんとなく、かな?よくないことだけど、どうしてもね。保健室に行きます、って言って、抜け出してきちゃった。」

 えへへと笑う傑の目の下には、うっすらと隈があった。傑を見ていたくなくて、顔を逸らす。

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