第32話

「似合ってないなあ。」

 傷んでいる明るい茶髪。肩にはつかないぐらいの長さのこの髪は、あたしには似合っていない。そんなこと知っているのに、根元が黒くなっているから、また染める。

「真衣、おはよう。」

 朝なのに、声はすごく大きくてめちゃくちゃうるさい。でかい体と一緒。ポジティブな性格も相まって、うるさい。

「おはよう、とーさん。」

「おう。腹減ったか?パン焼いたから、食べろよ。」

「はーい。」

「おう、そろそろ髪染めんのか?」

「うん、黒くなってるから。」

「真衣は何でも似合うなあ。留依るいにそっくりだ。」

「どうも。」

 そっけない態度を取っても、気分で無視したりしても、ニコニコの笑顔で話しかけてくるとーさん。それが嬉しかったり、うざかったり。けど、変わらないとーさんにずっと感謝してる。

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