白の後悔

ふみその礼

第1話 白の後悔


君の胸の白さは

心を留めることをやめたからなの

でも

後悔を飲み込んだササクレが

銀のくさびの音をさせ

ぱらぱらぱらぱら

後ろの大地に刺さっていく

聞こえないふりをしてあげよう

誰だって荒い呼吸の奥には

手放せない

かわいいマーモットがいる


自分の部屋はのぞかない

心はいつも外なんだから

いちばん愛したい思いが

固い宝石の箱を開けられない

ずっとあきらめてないふりをして

あきらめているのかも


そうしてうつむいている君を

見つめていて見つめられないこと

ほんとうにほんとうに

わたしが望んでいるのは

その いちびょう あと


君が膝をついてホッとできたらいいね

その時そばにいられたらいい

風がくすっと笑って

光がそっぽを向いてくれる

靴を脱いで古い靴下で膝にあがる

ネコみたいに君の傷をなめる

傷の場所知ってるのはわたしだけだから


また風が不思議そうに頬をなでる

なぜ届かないかって?

わたしもね

わたしも

胸の内が白なんだよ

しかたないよね

それでしか

いられないんだから




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 白の後悔 ふみその礼 @kazefuki7ketu

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