序章 右遷、もしくは左遷[3]

やはりあの先輩は怪物のような存在だ。人の道から外れている。その外れた先からも外れる邪道で、本能がままに赴く。


ぶつぶつと呪怨を漏らしながら歩いていると我が愛しのシスター・真日が話しかけてくれる。まあ、彼女の良いところを語るからぜひ聞いてほしい。


まず彼女の一日は朝、人より三十分早く起きるところから始まる。そして自分の掛け布団を洗濯機に入れてから他の人の部屋を尋ねる。そのような気配りができる真日ちゃんは天使だ。そこから一人朝の礼拝の準備をする。熱心な信者というわけでもないのに。そして全員の昼ご飯を準備する。量も多くてめちゃくちゃ美味しい。(僕の談)それから洗濯物をしまう。そして人一人を連れて買い出しに出かける。その一人に選ばれた日は何もかもが輝いて見えてすべてがうまくいく気がする。しかし何故かぼくは二十回も一緒に行ったことはない。他の人はたくさん言っているというのに。まぁ希少だからこそもらえる幸運の値も跳ね上がるというもんだ。そして就寝の準備をする。最後に皆が寝た後消灯する。これが彼女のいいところだ。どこがいいところかわからない?いや、分かるだろう。彼女は生きているだけで素晴らしいのだ。

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果たして■■は存在するのか、 照門テグス @An2Yu1

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