第15話 彼女の声は

 事件から数週間後。

 俺たちは、日常へと戻っていた。

 学校生活は変わらず続き、瑠璃と一緒に過ごす時間も増えた。

 だが、一つだけ違うのは——

「……久しぶりに、配信してみようかな」

 瑠璃がそう呟いたことだった。

「え?」

 俺は驚いて瑠璃を見る。

「私……ずっと、配信をやる気になれなかった。でも……」

 瑠璃は小さく微笑んだ。

「沙耶の分まで、ちゃんと“声”を届けたいって思ったの」

「瑠璃……」

「だから、見に来てくれる?」

 俺は、迷わず頷いた。

「もちろん」

 瑠璃の配信が、これからどんな未来を作るのかはわからない。

 だけど——

 彼女の“声”は、確かに生きている。


 /


 数日後。

 瑠璃の配信が始まった。

 『みんな、久しぶり! 今日は特別な配信です』

 チャット欄には、たくさんのコメントが流れている。

 「おかえり!」

 「待ってたよ!」

 「瑠璃ちゃんの声、やっぱり最高!」

 俺はその画面を見つめながら、静かに笑った。

 そして、ふと画面の端に、あるメッセージを見つけた。

「……?」

 そこには、こんな言葉が残されていた。

 『——私の声は、まだ届いている?』

 俺は、ゆっくりと画面を閉じた。

 瑠璃の配信は、今も続いている。

 そして、俺たちの物語も——これから先、続いていくのだろう。

 氷室沙耶(ミラ・ルミナ)はもういない。

 だけど、彼女の“声”は、どこかで生き続けている。

 

 俺たちは、それを忘れない。



 
















































  

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誰がVtuber(彼女)を殺したか? @codequx

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