第19話
病弱な母が買い物にいったら、貧血で倒れるかあちこちの電柱に頭ぶつけて血を流すしかない!
極力家から出さない方が安全だ……
そう判断した俺たちは、これから始まる姉貴のいない生活への不満を隠しながら、母に向かって笑顔を向けた。
だけど、その笑顔は長く続かない。
毎日違ったスーパーで違う特売品があり、どれが一番安いか比べたり。
料理に苦戦して指切ったり、失敗して不味くなったり。
でも貴重な食べ物、残してはいけないと顔を青くしながら完食したり。
家計簿に頭を抱え、数字に発狂しそうになったり。
姉貴は偉大な人だと、俺はこの時になってようやく心から理解した。
こんな中、姉貴はバイトや学校での小遣い稼ぎをしていたんだな……
うん。確かに俺は殴られて当然だ。
うちにそんな余裕はないな。
取り合えず、姉貴。
「元気に稼いできてくれ!!」
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