第30話
「花火大会はあんなクソリア充の為にあるんじゃねぇっつーの。花火が穢れる。去れ」
「そうすればもっとゆっくり花火を味わえるのにね。そんなにラブラブしたいならラブホにでも行ってろ猿」
「げっ、Twitterでもリア充のツーショットで溢れてるよ。胸くそ悪い。報告しよ。……えーと、内容が不適切または攻撃的っと」
「ついでに私の垢もフォローしてよ」
「あんたTwitterやってたっけ?」
「botだけどね。リア充撲滅隊で検索」
「……うわっ、フォロワー数やべぇ。一万超えてるじゃん」
「Rt宜しくね」
非リア充女子高生二人がそんな会話をしながら歩き、ようやく会場に着いた。
空いている所に座ると、なんてこったの四面楚歌。リア充に囲まれた。
目の前で肩を抱いているリア充。横にクスリとも笑えぬ冗談で爆笑しているリア充。
後ろには、なにやら怪しげな音を立てているリア充……
もし私がテロを起こすとしたら、それは政府に対してじゃなく、迷惑なリア充にだろう。
そして、隕石が落ちて、このリア充を吹っ飛ばしてくれないかなーっと、思った瞬間、夜空に大きな花が咲いた。
「わぁああ……凄く綺麗……っ」
「ゆっちゃんのほうがもっと綺麗だよ」
「やーだー、さっくんたらー!照れるよぉ」
……目の前の不細工カップルが気持ち悪い。さっき食べたキュウリが鼻からリバースしちゃうぐらい気持ち悪い。
私と親友は顔を合わせ、そして私はTwitterを開き、「リア充滅びろ!!」とツイートした。そして親友が早速RTする。
そんな私達の様子を、優しい花火が見下ろしていた。
短編集。 ラクシー @Raxxy
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