第14話
「準備は宜しいかな堕天使」
「万端だぜ魔王」
「よし、なら……君はこの呪われし暗号を解いてくれ」
「ならばお主は……昔から伝わるこの長い文章の意味を読み解いてくれ」
狭い密室の中、私と彼女は見つめあった。
重苦しい空気が二人の間で流れ、ピリピリとした緊張感が漂う。
お互い不敵な笑みを浮かべ、そして次の瞬間、相手の胸ぐらを掴んでいた。
「はあ?!ざけんじゃねぇ!!数学なんか解けるかよ馬鹿野郎!!」
「私だってあんな意味不明な古文、やりたかねぇやボケ!!」
テスト前日の友人の部屋。
……テスト勉強開始してたったの数秒で、
私たちは醜い口論を始めてしまったのだった。
私と彼女は見事なぐらい頭が悪い者同士。
類は友を呼ぶ、がピッタリなペアである。
そして明日は大嫌いなテストの日。
地獄の赤点が待っている、テストの日。
ちなみに単位が取れるかは、これにかかっている。
今度こそあの赤の大悪魔から逃れようと、私と彼女は初めて二人で一緒に勉強を始めたのだ。
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