「先生」最後の日

雪鳴清楽

第1話

 「先生、だーい好き!」


 「あー、そー。うれしー。」


 「もー! 気持ちこもってない!! でも、そんなところも、好きー!」


 きみがそうやってオレに告白してきたのは、1年生のバレンタイン。彼女がいたこともなく、そういう恋愛系の絡みにどう対応したらいいのかわからないオレに、人生最大のモテ期到来を告げたのがきみだった。


 「ねー、いつになったら付き合ってくれるの?」


 「さあな。卒業したら考える。」


 そうやってあしらっているうちに2年の月日が流れていた。


 「先生、だーい好き!」


 「いつまでそんな冗談言ってんだ?」


 「冗談なんかじゃないよ。」


 そういうと、きみはイタズラっぽい笑顔を見せて、強引にオレの連絡先を奪っていった。

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