タイムトラベラー 〜ののり・さほの戦国大冒険〜

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第一話:「100dBの時空おなら」

プロローグ


ののりは小学2年生。恥ずかしがり屋だけど、頑張り屋でしっかり者だ。得意科目は算数、特に掛け算。好きなことはダンスとよさこい。妹のさほは5歳で、しっかりしているけど、口が強い。そして……ものすごい特技を持っていた。


それは……100dBを超えるおなら。


ある日のこと、ののりとさほは家でいつものように遊んでいた。すると、さほが急に「お腹がもぞもぞする……」と言った。


「まさか……」ののりは嫌な予感がした。


ブオオオオオオオオオオオオオ!!!


家が揺れ、空間がひずみ、まばゆい光が2人を包み込んだ。


「うわあああああああ!!!」


次の瞬間、2人は見知らぬ場所に立っていた。


第一章:戦国時代へタイムスリップ


ののりが目を開けると、そこは現代とはまったく違う世界だった。

青空の下、広がる草原。近くには田んぼがあり、ぼろぼろの服を着た人々が農作業をしていた。


「ここ……どこ?」


隣を見ると、さほが地面に座り込んでいた。


「お姉ちゃん、わたしたち、もしかして……」


ののりはハッとした。そう、これはただの旅行じゃない。これは……


「戦国時代!?」


第二章:初めての戦国時代


「おい、何者だ!」

突然、鋭い声が飛んできた。


ののりとさほが振り向くと、数人の男が槍を持って立っていた。体には鉄の胸当てをつけ、頭には三角の兜。


「うわ、本物の武士だ……」


「おぬしら、どこの国の者だ? なぜこんなところにおる!」


ののりは答えられず、ただ呆然とした。だが、さほは負けじと口を開いた。


「おにぎりちょうだい!」


武士たちは驚いた顔をした。


「……は?」


「お腹すいた! おにぎりないの?」


場の空気が一瞬静まり返る。だが、次の瞬間、武士たちは大笑いした。


「なんと面白いやつだ! ふははは!」


どうやら敵意はなさそうだった。ののりとさほはそのまま村へ連れて行かれた。


第三章:村の人々


村に入ると、そこには掘っ立て小屋が並び、貧しい格好の人々がいた。みんな痩せこけ、元気がない。


「みんな、お腹すいてるの?」


「戦が続いてな……米がなくてな……」


さほは真剣な顔をした。


「おままごとする!」


「は?」


さほはすぐにその場に座り、近くに落ちていた木の枝や草を集めた。そして、石を並べてまるで料理を作るような動作を始めた。


「はい! これ、おにぎり!」


「なっ……」


「そしてこれは、お味噌汁!」


「なんと……まるで本物のようだ……」


村人たちは感動した。さほの「おままごと料理」によって、食事を思い出し、みんなの士気が少しだけ上がった。


「こ、この子はただ者ではない……」


こうして、ののりとさほは戦国時代での最初の仲間を得ることになったのだった。


第四章:野武士の襲撃!


翌日、村の様子が一変した。


「野武士だ!!」


突然、男たちが馬に乗って村を襲撃し始めた。家が燃え、人々が逃げ惑う。


「こ、これはまずい!」


ののりは妹の手を握りながら考えた。


(戦わなきゃ……でも、どうやって!?)


すると、目の前に掛け算の表のような模様が浮かび上がった。


(……そうか! 戦いも計算すれば勝てる!)


ののりは地面に石で「3×4=12」などと書き始めた。


「よし、掛け算で戦うよ!」


「???」


「3人1組で、4方向から敵を攻めるの! 3×4の掛け算戦術でいくよ!」


村人たちは「よくわからんが、やってみるか!」と奮起した。


こうして、ののりの掛け算戦術が戦国時代の戦いに初めて導入された。


第五章:ダンスで勝つ!?


戦は続いたが、ののりはあることを思いついた。


「私の得意なこと……そうだ、ダンス!」


彼女は突然、よさこいを踊り始めた。リズミカルな動きに、野武士たちは驚き、動揺する。


「な、なんだこの動きは!?」


「おかしな術を使っているぞ!」


その間に村人たちは一斉に攻撃し、ついに野武士のリーダーを倒した。


「やった……!」


ののりはガッツポーズをした。戦国時代に来て初めての勝利だった。


エピローグ


「お姉ちゃん、これからどうする?」


「このまま戦国時代で生き抜くしかないね。でも、私たちだけじゃダメ。もっと仲間を増やそう!」


こうして、ののりとさほの戦国時代での大冒険が始まったのだった。


次回予告:「戦国大名への挑戦!」


次の舞台は戦国大名との知略バトル! ののりの掛け算とダンス、さほの「おままごと戦術」は通用するのか!?

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