転生メイド 〜異世界に転生したのでメイドの傍ら魔物を狩ろうと思います〜
怠惰
プロローグ
大きくて綺麗な屋敷のよく丁寧された庭に月の光が差していた。
気持ちよさげに風か吹き女の黒い髪がふわりと靡いていた。
その女の周りには傷だらけの男が3人地面に伏していた。
「貴様……何者だ…!?」
「貴方に答える義理はありません」
まだ息があった1人の男のその問いに女は素っ気なく無情にもそう答える。
しかし男は女のその答えを聞き何かに気づいたかのように口を開け女の正体を口にする。
「その、人の身から卓越した動きにそのメイド服と黒い髪……修羅の如き力で敵対したものを必ず冥土に送る…」
男は意を決して最後にこう言った。
「冥土に仕えるメイド…修羅姫!!」
「その名前はあまり好きではありません」
女…もといメイドはそう言いナイフを振り落とし3人の男を冥土へと送った。
――――――
後日メイドは所属している組織の幹部に呼びつけられていた。
強面の幹部とその配下たちがメイドの周りを取り囲みメイドはその状況に少し困惑していた。
「久しぶりだな…修羅姫。おっとこの名前は嫌いなんだっけか?失礼失礼」
メイドはその発言に少し不機嫌になっていたが表情には出していない。
「それで、私に何か御用でしょうか?」
「あー、そうだな。本題に入る前に昔話をしようか。……お前がボスに拾われてきたのは覚えているか?」
「はい…忘れられるはずがありません」
「ハッハッハ、そうか…まぁ話を戻そう。ボスに拾われたお前はボスの下でメイドになりボス直々に殺し方を教わった。そこでお前は名前をボスに付けて貰ったんだっけか」
メイドはその時の事を思い出しいつの間にか微笑んでいた。
「そしてお前は瞬く間にこの組織の最強格に成り上がり次期ボス候補とまで言われるようになった…。
俺たち幹部も、初めはまたボスが何かやっているとしか思っていなかったんだ。
それこそ少し微笑ましくも感じていた。
だが事情が変わったんだ」
そう言い幹部は少し切なくやるせない表情を浮かべる。
「お前は知らないだろうがボスは死んだんだ。つまりこの組織は次のボスを決めなければならない…。お前は邪魔なんだよ…」
幹部は拳銃を取り出しメイドに銃弾を撃ち出す。
「くっ…」
メイドは回避姿勢をとったが避けきれず脇腹に当たってしまった。
メイドは倒れ込んだ。
「何故…ですか」
幹部はそう言うメイドの眉間に銃口を向け…
「死んでくれ」
バンッ!
メイドの頭からは朱色の液体が鮮烈に咲き17年という生涯に幕を閉じた。
(次生まれ変わるのならば自由に生きたいものですね)
メイドは最期にこの様な事を思っていた。
―――――――――――
ご報告
怠惰です。僕が今連載しているカミナマなのですが、一時休載しリニューアルしようと思っています。
それまでの間はちょくちょく短編を出しつつこの物語を連載していこうと思います。
どうかこれからも応援よろしくお願いします。
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