作者様のお書きになられたあらすじ通り、本作は短気な青年が天界に連れて来られ、そこで自分の欠点を矯正していくお話です。
このレビューを書いている時点で5話目までお読みしましたが、何と言ってもこの作品の魅力はキャラクター性と心情描写で、主人公の廉君などは、現実ではちょっと近寄りがたい問題児に見えますが、内面には弱い者に心を寄せる優しさや搾取する者に対する激しい怒りといった、正義感の強い一面を持っています。
後に介護士の青年、和馬さんと出会い、誰にでも分け隔てなく優しく接する彼の人柄に廉君も強く惹かれることになるのですが、人が恋をした瞬間に発現する我儘な独占欲、御し難い暴走、身を切るような痛み、頭の中がチリチリする焦れったい気持ち、そういったものが切々と描かれていて、この作品の真価に触れたように思いました。
『あの人が欲しい』という気持ちをこんなふうに表現できるなんて、本当にすごいなと思います。
廉君の暴走を冷静に見極め窘める『爺さん』こと神様の語る道徳的言葉は、廉君のみならず私達読者の胸にも響くことと思います。
我慢のできない激しい気性の廉君。
優しいながらもちょっと臆病な和馬さん。
ひょうきんなように見えてちゃんと廉君を制する神様。
みんなそれぞれに魅力的で目が離せず、今後、彼らがどんな物語を紡いでいくのか気になります。