負けヒロインの元カレ(になる予定)

くさもち

第1話 前世を思い出したらだいぶ取り返しがつかないのだが?

【6月6日火曜日、今日の天気は…】

さっきまではちゃんと見ていたテレビも今は耳から入って反対の耳から出ていくように内容が入ってこない。

急だが、俺は前世を思い出したらしい。


何で急に前世を思い出したのかは分からない。本当に急だった。

ギリギリ覚えてない英単語や公式を思い出すような、それくらいの感じで。

そしてこの世界は俺が前世で読んでたラノベ、タイトルは思い出せないが結構ハーレム系だった気がする。


でも残念ながら俺はこの世界の主人公ではない。むしろ悪役に近い。

しかも俺にとってまだ他の悪役の方がマシと思えるくらいの貧乏くじを引いてしまった。


なんで推しの元カレなんだよ!


しかもまだ別れていない。そう、別れる予定なのだ!

これが俺が生きてきた人生の中で何よりもしんどい。

だって好きな推しなのに別れるんだよ?

しかも、別れた時期はちょうど梅雨の時期。ということは今の推しの好感度は最悪になっている。


今更どう足掻いても上がりっこない。

「どうした海人?体調でも悪いのか」

「いや、ちょっとご飯が喉に通らないだけだよ」

「今日は休む?」

「ちゃんと学校には行くよ」

と両親にこれ以上変に心配かけたくないので自室に戻ることにした。


登校するまで後30分。

俺の今の状況を整理することにした。

・この世界はラノベ(主人公にとってハーレム系)

・俺は今付き合ってる彼女がいる(ただし好感度は最悪)

・スペックはちょい良いくらい(主人公は最強)

・今後彼女に振られて拗らせて問題を起こして主人公と友達にざまぁされる


「どう見ても詰んでるじゃん…」

しかも物語を何周もして読んだ俺は彼女がどうなるかも知っている。

案の定、ざまぁされた俺が退学した後、彼女は当然主人公を好きになるけど最終的には振られる負けヒロインになる

「あの時の「2度目、か…」っていう言葉が切なすぎるんだよなぁ〜」


それで意気消沈してるところを俺を一緒にざまぁした友達が慰めてゴールイン…


「はぁ〜」

ため息しか出ない。要するに俺が今できるのは振られるのを待つのみ。


そんなことを考えているとあっという間に30分経っていて

「海人〜雪奈ちゃん来たわよ〜」

「今行く」


重い身体を起こし、階段を降りていく。

そして玄関には

「おはよう海人」

「おはよう雪奈」


別れる予定でこの世界のヒロインでもある白崎雪奈がいた。




《めちゃくちゃお久しぶりです!大学受験も終わったので投稿を再開したいと思います。基本的にはしばらく毎日投稿していきます。

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