幻獣のいる世界⑩ドワーフが、剣をよみがえらせたなら…

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 鍛冶屋が似合いすぎる、幻獣ドワーフ様!あなたのおかげで、剣が強くなり、よみがえり…。え?よみがえった?

   (いみエモ話)

 意味がわかると、エモイ話。

 あなたは、この話の意味がわかりますか?

    ☆

剣と魔法の世界では、いろいろなものが減って困る。

 腹が減る。

 金が減る。

 いろいろと。

 それ以上に減るものが、刃(は)かもしれない。

 バトルをくり広げるたび、剣や刀の損傷がはげしくなるから。

 剣や刀を、修理しなければ。

 「鍛冶屋のプロ」に頼むことになるわけだけれど…?

 鍛冶屋といえば、ドワーフだろう。

 幻獣や妖精のドワーフは、武器防具、貴金属や石を強くすることのできる種族。

 「ミスリル」という、かたくて軽い、魔法がかった金属を加工することのできるたった 1つの種族ともいわれる。

 ドワーフほどふさわしい鍛冶屋は、いないんじゃないか。

 「力強いヒゲをお持ちのドワーフさん、お願いです!剣や刀を、強くしてください!」

 ていねいに頼めば、はげしい刃こぼれをおこした武器も強くなって生まれ変わるはず。

 「力強いヒゲをお持ちの…」

 ヒゲをほめる一言は、マスト!

 ドワーフは、他のどの種族が考えるより自分自身のヒゲにプライドを持っているようだから。

 「すばらしいヒゲをお持ちのドワーフさんに、お願いです!俺の剣を、生まれ変わった姿にしてください!」

 「あなたにしか、できないこと!」

 「この剣を、生まれ変わった姿にしてください!」

 たのみ方は、いろいろ。

 ただね…。

 ドワーフにたのむときの注意点は、ヒゲの尊重の他にもあってだね。

 俺も、生まれ変わった剣を見たいんですって、ドワーフ様にたのんでみたんだけれどさ。

 ああ、失敗。

「できたぞ、人間よ?」

 ドワーフが、俺のところに生まれ変わった剣を持ってきてくれたのは良いんだけれどさ…。

 剣が、「キャンキャン」ほえてどうしようもないんだ。


   (この話の意味)

 剣を修理しないと、大ピンチ!

 「高貴なひげをたくわえた、ドワーフ様!」

 「何じゃ?」

 「あなたにしかできない願いが、あります!」

 そこまでは、良かったのに。

 ああ、想定外。

 「この剣、死んでいます!よみがえらせてください!」

 「良いだろう、人間よ」

 ドワーフは、そのままの意味で人間の願いを聞き、剣を「犬として」転生させてしまったのだった。

 キャンキャン!

 犬の姿でよみがえった、俺の剣…。

 エモいなあ。

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