【短編】沙友理ちゃんの実力行使

G3M

第1話

 昼食後、「トイレに行ってくるよ」と言って忠正が松葉づえを持って立ち上がろうとした。


「分かりました」と言って、沙友理は忠正が立ち上がるのを手伝った。


「勝手に行かないでください」と沙友理。


「え?」と忠正。


「一緒に行きます」と沙友理。


「だからトイレだって」と忠正。


「だから一緒に行きます」と沙友理。


「何言ってるの、男子トイレだよ」と忠正。


「共用トイレがあります」と沙友理。


「そういう意味じゃなくて……」と忠正。


「どういう意味ですか?」と沙友理。


「ついてきてどうする気なの?」と忠正。


「もちろん手伝うんですよ」と沙友理。


「何を?」と忠正。


「先輩おしっこするんじゃないですか?」と沙友理。


「そうだよ」と忠正。


「じゃあ、おしっこのお手伝いです」と沙友理。


「自分でできるよ」と忠正。


「出来ません」と沙友理。


「さっきはちゃんとできたんだ」と忠正。


「嘘です」と沙友理。「さっきズボン濡らしてたじゃないですか」


「そんなことないよ!」と忠正。


「トイレで倒れたらどうするんですか?自分で起きられないくせに」と沙友理。「それに、トイレの周りをおしっこまみれにしたらほかの人が迷惑するじゃないですか」


「大丈夫だって」と忠正。


「私が先輩の世話をするから、お母さんが大学行ってもいいって言ったんですよ。忘れたんですか?」と沙友理。


「分かってるけど、トイレは大丈夫だから」と忠正。


「先輩が倒れて怪我したら、私は先輩のお母さんになんて言えばいいんですか?」と沙友理。


「悪いけど、もう漏れそうだ」と忠正。


「じゃあ行きますよ」と沙友理。



「こっちですよ、先輩」と沙友理。


「本当に一緒に入るの?」と忠正。


「まだ逆らうんですか?」と沙友理。


「誰かに見られてないかな?」と忠正。


「何か怪しいことするんですか?」と沙友理。


「しないよ!」と忠正。


「じゃあ入りますよ」と沙友理。



「ちょっと何するの!」と忠正。


「おしっこするんじゃないですか?」と沙友理。


「なんでベルト外すの?」と忠正。


「ファスナー開けて、つまみ出すほうがいいですか?」と沙友理。


「わかったよ」と忠正。


「ズボンとパンツ下ろしますよ」と沙友理。


「ちょっと何触ってるの!」と忠正。


「つまんでないとズボン汚しますよ」と沙友理。


「指先でつまむだけでいいんだよ!」と忠正。


「つまみ方なんて知りません。ガタガタ言うなら擦りますよ!」と沙友理。


「わかったよ、わかったからじろじろ見ないで!」と忠正。


「つまんでますから、早くしてください」と沙友理。


「見られたら緊張して出ないんだよ」と忠正。


「そうなんですか?」と沙友理。


「男子はそうなんだよ」と忠正。


「ならリラックスしてください」と沙友理。「深呼吸です、先輩」


「ドキドキして出ないよ」と忠正。


「なんか大きくなってきてますよ」と沙友理。


「言うなって!」と忠正。


「出てきました」と沙友理。「本当に先っちょから出るんですね」


「当たり前だろ!」と忠正。


「どんどん出ますね」と沙友理。


「ふーやれやれ」と忠正。


「最後にホースを振るんですよね」と沙友理。


「そうだよ」と忠正。


「振る方向は左右ですか、上下ですか?」と沙友理。


「上下だ」と忠正。


「ところで先輩、これ何ですか?」と沙友理。


「何って、それはホースだ」と忠正。


「私が聞いているのは、なぜこんなに大きくなっているかということです」と沙友理。


「仕方ないだろ」と忠正。「沙友理ちゃんに後ろからぴったり抱き着かれてホースをつかまれてたら誰だってたっちゃうよ」


「先輩、いやらしいこと想像してるんですか?」と沙友理。


「そうじゃない。こんなの自然なことだよ」と忠正。


「へえ、誰に触られてもこうなるんですか?」と沙友理。


「そうじゃないよ。沙友理ちゃんだからだよ」と忠正。


「どうして私だとこうなるんですか?」と沙友理。


「沙友理ちゃんがかわいいからだよ」と忠正。


「かわいい女の子だったら誰でもですか?」と沙友理。


「そんなのわからないよ。沙友理ちゃん以外にこんなことする女子いないから」と忠正。


「先輩、私にお世話されてうれしいですか?」と沙友理。


「なんでこのタイミングで聞くの?」と忠正。


「ねえ、どんどん硬くなってますよ」と沙友理。「ねえ、答えてくださいよ、先輩」


「ちょっと。沙友理ちゃん!」と忠正。「でちゃう」


「何が出るんですか、先輩?」と沙友理。


「ちょっと!」


「答えてください、私にお世話されてうれしいですか?」と沙友理。


「うれしいよ、うれしいから!」と忠正。


「私のこと、どう思ってるんですか?」と沙友理。


「好きだよ、大好きだから!」と忠正。


「だから何?」と沙友理。


「好きだから付き合って!」と忠正。


「なら許してあげます」と沙友理。


「あああっ」と言って忠正は果てた。

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