格安ホテルで失敗した恐怖の黒歴史のその後の話。
逢坂 純(おうさかあつし)
今でも失敗だらけのホテル選び。
今でもホテル選びには失敗の連続です。
それは、県外の友人の家に遊びに行った時の話に遡ります。
友人は僕の来訪を大歓迎してくれて、ちょっと高級ホテルの宿代を出してくれました。
そのホテルは、室内にコーヒーメーカーが備え付けられており、館内には温泉まであり、歴史と格の高いホテルでした。
僕は友人と近くのスーパーで美味しそうな総菜を買い込み、ちょっとした晩餐会を二人で開きました。
それは素敵な素敵な晩餐会になり、大満足で僕は友人と別れちょっとした小旅行を終えました。
それからもその友人とは親交があり、二度ほどその友人の家を訪ねました。
今度はさすがに、宿代を友人に出してもらうのは気が引けることからと、次の来訪の時は自分で宿代を出すという約束で、その友人のところを訪ねました。
今までのホテルがとても居心地がよく、またあのホテルに泊まりたいなと僕は思っていました。
しかし、それは財布と相談、だけどあのホテルにまた泊まりたい。
僕はそう考えて某ホテル価格比較サイトを調べました。
そのサイトには、嬉しいことに僕が泊ったあのホテルがあるではないですか。
喜び勇んで僕は僕は大満足して宿泊したあのホテルを定価よりも安く予約ができました。
あのホテルにまた泊まれる……、僕はウキウキで友人の元へ訪ねました。
そして、フロントで某ホテル価格比較サイトで予約した予約番号を見せました。
すると、ホテルマンは黙って計算機を差し出し、そのディスプレイには定価より安くなった価格が表示されていました。
やったー!、だけど何故無言で?でも内心ウキウキです。
あの部屋にまた再び泊ることができる、しかも定価よりも安い値段で。
その想いの方が強く、僕はフロントで感じた違和感を振り切り、エレベーターへと向かいました。
僕と友人は、フロントの隣にある豪華なエレベーターに乗り、僕の宿泊する部屋のあるフロアのボタンを押しました。
そしてエレベーターは、僕の宿泊する階に到着し、僕と友人はホテルの鍵のルーム番号を見ながら、僕の泊まる部屋を探しました。
が、しかしその階には僕が泊るべき部屋がないのです。
三回ぐらい同じフロアをグルグルと回り、僕と友人は部屋の番号の付いているドアを探しました。
いくら探しても見つからないルームナンバー。
僕たちは諦めて、フロントに部屋のありかを訊ねることにしました。
僕が部屋の番号を告げルームキーを見せると、ホテルマンは笑顔で言いました。
「このお部屋は旧館です」と。
友人は苦笑しながら、僕を旧館へと連れて行ってくれました。
部屋に入ると、室内は以前僕が泊った部屋よりも狭い!、コーヒーメーカーもない!、ちょっと薄汚れている!、そんな部屋でした。
僕はその時心底思いました。
二度とホテル価格比較サイトで予約はしないと。
やはり高いものには高いだけの価値があるのだと。
そう思いながらも、その夜もグレードダウンしたその部屋で、友人と晩餐会を開いて飲み明かしました。
確かに部屋はグレードダウンしたけれども、友人と呑み明かした経験は以前と変わらず、楽しい夜を過ごせました。
結果、オーライ!です。
格安ホテルで失敗した恐怖の黒歴史のその後の話。 逢坂 純(おうさかあつし) @ousaka0808
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