25
「先輩はこの戦争がいつまで続くと思いますか?」基地の中の休憩室でアイスコーヒーを飲みながら雪風は言った。「わかんない。もうそんなこと考えることもやめちゃった」とハラは言った。(ハラは戦争はもうすぐ終わる、と言っていた司令官の言葉を思い出したけど、そのことを言ったりはしなかった)
「最初は戦争が始まった年のクリスマスには戦争は終わるってみんな言ってました。でも全然終わらなかった。もう今年で三回目のクリスマスになります」窓の外に目を向けて雪風は言う。
窓の外には雪が舞っている。今年初めての雪。強くて冷たい風に吹かれて、雪はその強さをだんだんと激しくしている。綺麗と言うよりは恐ろしくて、危険な雪だった。
「私の故郷は雪国なんです。よく雪だるまを作って子供のころは遊んでいました。今はそれどころじゃないけど、戦争が終わったら故郷に帰ってまた雪だるまを作りたいな」雪風はアイスコーヒーを飲み終えるとにっこりと笑ってそんなことを言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます