14 夜風が気持ちいいね。
夜風が気持ちいいね。
ハラは久しぶりの休暇に基地の近くにある街に出かけた。自分が死んでしまう前にもう一度、街にあるお気に入りのレストランで食事をしておこうと思ったのだ。
目を覚ますともう時刻は夕方になっていた。ハラはシャワーを浴びる。とても気持ちが良かった。シャワーを浴びているときだけなんだか昔に戻ったような気がした。
平和だった、あのころに。
ハラ。いつまでお風呂に入っているの? とか、ほら、早く起きないと、お仕事に遅れるよ、とか、そんな怒っているメルの声が聞こえた気がした。(思わずハラは笑顔になった。なんだか私はメルに怒られてばっかりいるな、と思った)
メル元気かな。
メルやカールおじさんにまた会いたいな。
会ってみんなで食事がしたいな。
楽しく、笑いながら、あったかいご飯が食べたいな。
そんなことをハラは思った。
着替えをして部屋を出るともう空は暗くなり始めていた。外出用のコートを着て帽子を深く被った。かんかんと音を立てながら階段をおりると、そこには整備長がいた。
「よう。これから出かけるのかい?」階段に座ってたばこを吸っていた整備長が言った。
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