#07 魔術について

それでは、今回は【紫紺のイーヴルアイズ】の世界の魔術について、です。

魔術には、大きく分けて、「魔法」と「魔道」が存在します。


魔法は、術者が繰る魔力を使用して、世界の内部から働きかけて、法則を書き換える行為です。

魔道は、術者が繰る魔力を利用して、世界の外側から働きかけて、法則を書き換える行為です。


一般に、魔道のほうが効果は大きいのですが、一概にはそうとも言い切れるものではないようです。

この世界では、魔術は天然資源のようなもので、使い続けていると、土地から魔力の源が消失し、使えなくなってしまいます。

魔術師は、土地から魔力を充填しており、魔力の枯れた土地からは、いっさい魔術を使うことが出来なくなります。

アルフィリンたちが次元を渡航していたのは、次元世界の魔力を枯渇させてしまったからで、地球からも魔力は徐々に消失しつつあります。


ここらへんのネタは、ラリー・ニーヴンの小説「魔法の国が消えていく」を参考にさせて頂いております🙇


さて……魔法使いの名称ですが、以下のように定義しております。


魔術師……魔力を有する者の総称

魔道師……評議会に所属している魔術師。多くの場合、魔道を使う。

魔導士……堕ちた魔道師。評議会から追放された魔術師。

呪文使い……魔道を使えない人間の総称。一般に魔道師になれない弱い魔力の持ち主。一般に、魔法か、呪工具を使う。

魔法使い……魔道師になれるだけの魔力を持っているが、魔道を使おうとしない者。


評議会というものがありますが、これは魔術師ギルドのようなものです。

評議会は常に所属している魔術師を監視しており、掟を破ったものを追放し、猟犬と呼ばれる組織によって捕縛しております。

掟ですが……細かい部分は考えておりませんww

「十柱跡の誓い」というものがあって、これはモーゼの十戒のような存在です。評議会の一員になる時、十柱に刻まれていた碑文を読み上げて、それを遵守することを求められます。

「十柱跡の誓い」という名前から、既に十柱は失われてしまっているのですが、碑文の内容は写本などによって現代にも受け継がれている……という設定です。

因みに、碑文の内容は、決めておりません😎


さて……魔術ですが、簡単に呪文を唱えただけでは、発動させることはできません。

評議会の魔術学院では、定型の呪文を教えておりますが、実際は呪文は、術者の能力や対象の状況、周囲の環境などを様々に考慮に入れることによって、変化します。魔術師は、即興で、こうした呪文を自分で考え、組み立てる能力なども必要になります。


まず、魔術には、プライマリア・サイン(真呪)と呼ばれるものがあります。

プライマリア・サインには大きく分けると2種類あって、枢印(ファースト・シール)と唱紋(オーグジラリー・クレスト)があるのですが……これは、古代の神々が果たした役割によって、決められております。

一般に、枢印を使ったほうが魔術の効果は大きく、唱紋だけだと、そんなに強い魔術の効果は望めない……とされます。

まぁ、これも術者の能力や環境にもよるのですけどね。初心者が放った唱紋だけの呪文が、魔道師の呪文を上回る……なんてことは、かなりあったりします。


プラマリア・サインは、古代の神々の業績(?)によって効果などが定められております。

例えば……「精霊」のプライマリア・サインには、次のような効果が定められております。


精霊(ジェナ)

色……エメラルドグリーン

関連するサイン……万象、心魂、精魂、地上

意味……火精、地霊、水妖、風魔の四元素の力

同源……森林、自然、野獣、召喚、魔力、霊魂

同種……大地、生命、豊饒、水域、火炎、疾風

対抗……なし

同色……森林、自然、青(英雄、武運、戦旗)、空(月輪、野獣)、青緑(魔力)、緑(卜占)

象徴……四面体、宝石、首飾り、石、泉、魚、月桂冠、水鏡、波紋、夢、渡り鳥、カラス、オアシス、聖杯、花、 種子、白昼夢


……込み入っておりますね💦

魔術を使う時は、周囲の土地などから、魔力を引き出し、呪文によってイメージを強固なものにして、発動させます。

呪文に魔力があるのではなく、呪文には魔的な効果がある、と自己暗示をかけ、ありがたい言葉を唱えることによって、イメージを明確にするための道具でしかありません。

ただ、一般の人間は言葉によってイメージを想起させているので、ほぼ、呪文なしで魔術を行使することは、不可能となっております。


また、土地の魔力は地形によって発生する魔力が定められているので、それに反した魔術を行使するのも、不可能です。

地底で光を作り出したり、海のそばで炎に関連する魔術を使ったり、古戦場で亡者を滅還させること、などは不可能ではありませんが、かなり難しい行為となります。


プライマリアサインですが、神々のグループ分けや象徴する色などから、イメージを連想させて、繋げることも可能です。これにより、地底で光を灯したりすることも可能になります。

例えば、「火炎」「台地」「水域」「疾風」を象徴する色は「紫」なので、紫のイメージから、相互のプライマリアサインへと繋げることもできます。


一例として、源を同じとするプライマリアサインを、あげておきましょう。


源を同じとするプライマリア・サイン群

 [四大]水域、大地、火炎、疾風

 [命数]豊饒、命脈、婉然、療治

 [三界]雷雨、天空、太陽

 [星幽]太陽、月輪、星宿

 [法典]祭祀、秩序、天運、英知

 [逸脱]道化、陽炎、虚実

 [万象]森林、自然、野獣、精霊

 [変則]歪曲、奈落、混乱

 [武門]英雄、武運、戦旗

 [心魂]召喚、魔力、精霊、霊魂

 [満欠]野獣、月輪


この他に、無秩序界に属するプライマリアサインというものもあります。

これらは、奈落よりものに関連するプライマリアサインなので、まともな魔術師は使いません。エンプロイアーの魔術師ならば、使ってくるかもしれませんが。


さて……この他に属性というものがあります。

ゲームでも、よくあるアレです。


属性には、「聖」「灼」「森」「護」「冥」「竜」「牙」の8醜類があります。


「聖」は、星人に関わるサインで、聖遺物などが関連します。

「灼」は炎や魔法による攻撃。

「森」は精霊や幻惑。

「護」は治癒や護身。

「冥」は冥府や霊魂、死。

「竜」は生命や占い。

「牙」は大地や物理的な攻撃、を象徴しております。


また、属性同士によって、不利な属性、有利な属性、同格の属性が存在します。


灼は護に勝り、冥に劣し、森と対し、竜と牙を盟とする

森は竜に勝り、牙に劣し、灼と対し、護と冥を盟とする

護は牙に勝り、灼に劣し、冥と対し、森と竜を盟とする

冥は灼に勝り、竜に劣し、護と対し、森と牙を盟とする

竜は冥に勝り、森に劣し、牙と対し、灼と護を盟とする

牙は森に勝り、護に劣し、竜と対し、灼と冥を盟とする


勝り、は有利な属性。例えば、「灼」は「護」よりも有利な属性です。

列し、は不利な属性。例えば、「森」は「牙」よりも不利な属性です。

対し、は同格な属性。例えば、「護」は「冥」と同格な属性です。

盟は、親和性のある属性。「冥」に対し、「森」「牙」の呪文が使われたら、サポートなどの効果が得られる属性です。


一般人ですが、彼らは呪文は使えません。

魔術師は、普通、遺伝によるものなので、魔術師の親は魔術師であるのが基本です。

また、魔術師は不老ですが(不死ではありません)、子供を成すことは出来ません。子供が出来ると、魔術師の魔力は子供へと譲られ、親は不老ではなくなります。


アリアンフロッドですが、彼らは基本的に誰でも呪文を使えます。

呪文が得意だったり、不得意だったり、魔戦士のように、自分を強化する呪文を使ったり、など差異はありますが、まったく使えない、ということはありません。

ここら辺の考え方は、TRPGのルーンクエストと同じですね。

魔術師タイプ、剣士タイプ、魔戦士タイプ……などなど、自分の好きな戦闘スタイルを選ぶことができます。


アリアンフロッドも、魔術師のように、不老で子供が作れない……と言うところは、同じです。

さて、それでは次回はアリアンフロッドについて、語ってみることにしましょうかね。

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