42キス♡番外編 ミンケちゃんとデート後編
「うにゃ! 親方、ありがとにゃん♪」
「お心遣い感謝申し上げます」
親方さんは満面の笑みを浮かべると手を振って仕事に戻って行った。
「あの親方はこの漁港の元締めにゃんですにゃ。
怒らせると怖いのにゃ〜」
「ところでミンケさんはなぜ漁港に?」
「にゃは〜。お休みの日は色んなところで働かせてもらってるのですにゃ〜。
今はたまたま漁港でお世話になってるのにゃん」
「なんでまた休日にまで。
そんなに働かなくてもよろしいのでは?」
「うにゃ?
サラ様、社交界や学園の代わりにあちこち足を運んではこうやって市井の人たちと関わってますのにゃ。
ミンケはサラ様のお姿を真似してるだけですにゃん」
「そうだったんですのね」
くっ!?
ミンケちゃん、確かにそういうこともあるけど、今日はほんとに散歩だったんだよ!
言えないけど!
それから漁港をあちこち案内してくれて、いろんな人たちとお話しするうちにお昼を過ぎていた。
その間ずっと、小さな手を繋いで笑顔で優しくわたしをエスコートしてくれる。
ふふ。ミンケちゃん優しい。
まるでデートみたいだね♪
「ミンケ! 姫さん!
こっちに来な!」
「親方様がお呼びですわ?」
「うにゃ〜。
お昼ご飯の用意をしてるにゃ〜。
サラ様が来たからって張り切ってるのにゃ〜」
波止場に用意された簡易的な魔導調理器具で食事をご馳走してくれるとのこと。
普段はここで働く人たちは家に帰ってから食事をするらしいけど、わたしが来たことでみんな一緒に食事をするという大イベントになってしまっていた。
「姫さん、ほらよ」
「あ、ありがとうございます」
親方様から直接手渡されたのはというと。
話には聞いたことがあるけど食べたことのないお料理。
アジの海鮮丼!
「なんて綺麗なんでしょう!」
アジの見事な色艶。
銀色にキラキラとした光沢。
トロッと脂がのっていそうなピンク色の身。
ほどよくかけられたお醤油の香りがお腹をぐぅっと鳴らしていた。
「はっは!
姫さんでも腹が鳴るのか!」
朝ごはん食べてなかったし……恥ずかしい。
顔が熱いんですけど。
「当たり前なのにゃ!
うにゃ〜。サラ様にこんにゃお料理をお出しするにゃんてあり得にゃいのにゃ〜」
「なんでぇ、気にいらねぇのかよ?」
「そんなことありませんわ♪
さっそくいただいても?」
「おう!」
渡されたお箸でしっかり口に運ぶ。
「美味しいっ!
プリプリとした弾力のある食感がしっかりしていてとろけるような甘みの強い脂と旨味がすごいですわ!」
「はは! 分かってんじゃねぇか!」
「サラ様が喜んでくれたにゃらうれしいですにゃん♪」
二人ともいい笑顔。
漁港で働く皆さんも笑顔が素敵。
食事の後は皆さんお帰りとのことで、行列握手会で皆さんそれぞれ解散していった。
握手会の間はお片付けの手伝いもできずに申し訳ない。
「良かったらまた来るといい!」
「親方様、すっかりお世話になってしまいました。
皆様とのお食事、とっても楽しいひとときでしたわ♪」
「そうかい。そいつは良かった!
じゃあな」
最後に残った親方様も帰っていく。
「うにゃ〜。
サラ様、午後はどうされるのですかにゃ?」
「いえ、特に予定は……
ミンケさん、良かったら一緒にデートしてくれませんか?」
「うにゃ!?
サラ様とデートですにゃ!?
うにゃにゃにゃ〜。
こ、困ってしまうのですにゃ〜」
「なんで?」
「だって大好きなサラ様をひとり占めしちゃうにゃんて」
「あは♪
大好きだなんてうわしいわ♪
それでは行きましょう♪」
「サラ様!? ミンケはお魚臭くて汚いですにゃ〜!」
悲鳴をあげるミンケちゃんの腕を抱きしめて歩いていく。
もふもふがちょっと魚くさいけどなんてかわいいんだろう。
「ミンケさん、とっても可愛いわ!」
海辺近くのショッピングモールにあるアパレルショップ。
大きな姿見に映るかわいいもふもふの小さい女の子。
にゃんこ耳がぴこぴこ動いてにゃんこしっぽがパタパタ揺れてる。
「うにゃ〜。
おめかしされちゃったのにゃ〜」
ミンケちゃんを上から下までコーディネート。
侍女姿はわたしの趣味が丸出しゴシックロリータだから今回は趣向を変えてみた。
襟が大きく折り返されたオープンショルダーニット。
プリーツのミニスカートと革のロングブーツの絶対領域が眩しい!
ワンポイントに胸元のおっきなリボンが可愛いな♪
くりくりの栗毛と白毛のもふもふに合わせて全体をクリーム色にまとめてみた。
「それじゃあ行きましょう」
「はいですにゃ♪」
手を繋いで歩き出す。
モール内にあるあちこちを散策。
書店にアクセサリーショップ。
カトラリーや食器に花器なんかも盛り上がってしまう。
さすが侍女。
なんやかやウインドウショッピングを楽しんだ。
そろそろ夕陽になりそうな時間。
砂浜で腰を下ろしておしゃべりしていた。
結局、王宮でのことばっかりなんだけどね。
「ミンケさんは将来どうされたいんですか?」
「うにゃ?
もちろんサラ様のおそばでずっとお世話をさせていただきますにゃ!」
「ですが、年相応になれば恋のお相手もできるでしょう?」
「にゃにゃにゃ!? 恋のお相手!?
そ、それにゃらとっくにいますのにゃ!」
「あら? 同じ猫族のお方ですか?
それともお魚料理が得意な調理人でいらっしゃいます?
それとも執事さんたちのどなたかとか?」
「にゃ〜。
みんにゃ違いますのにゃ〜。
……サラ様には秘密にゃん」
「秘密なんですね?
それならそのうち教えくてくださいね?」
「……サラ様〜。
お肩をお借りしてもいいですにゃ?」
「? いいですわよ?」
にゃんこしっぽがゆらゆとわたしの腰に巻きついてる。
わたしの肩にこてんと頭をのせてもたれるミンケちゃん。
夕陽が海にキスをしている。
「ずっとこうしていたいにゃん」
「そうね。それもいいですわね」
ミンケちゃんの耳毛にそっと指で触れるとパタパタと瞬いてる。
「うにゃん。
ミンケはずっとサラ様のおそばにいるのにゃん」
「ふふ。好きな人とお付き合いできたらずっとその方と一緒にいたくなりますわ」
「ミンケはもう好きな人と一緒ですのにゃ」
「そうですの?」
「はいですにゃ」
ミンケちゃんの朱色に染まった柔らかい頬が、わたしの肩に心地いい重みを感じさせてくれる。
まるで夕陽が沈むように。
☆☆☆☆☆
サラです♪
ここまでご愛読いただきまして♪
お星様や応援ハートをいただきまして♪
本当にありがとうございます♪
感謝の気持ちを込めて……
あなたのほっぺに……
ちゅっ♡
反対のほっぺにも♪
ちゅっ♡
ふふ♪
魔法陣が光ったかな?
また会えますように♪
じゃあ、またね!
女の子好きなわたしは百合百合したい〜暗殺令嬢と無敵姫の終わらない約束 こい @k_o_i
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