商人亡命
「畜生、畜生、畜生、なんで、なんでったってあいつらが、なんで鬼がここに居るんだ!!」
俺は商人
だが、今はどうだ!!
激怒した奴らが俺の名前を呼びながら国中を徘徊しているんだ、捕まったら間違いなく恐ろしい目に遭わされる!!
ゲームだから大丈夫だとか、そんな事は求めていない。
求めているのは、この身の安全だ!!
事の発端は俺がいつものように【鬼ヶ島】に行って商売を持ちかけようとしたんだが、突然鬼の王が商談を打ち切ると言って聞かなくなったんだ。
あり得ないと思って本国に戻り痣ラシと相談したんだが、全く取り合って貰えない。
苛ついた俺はちょっと奴らに嫌がらせを行ったら「次会ったら容赦しないからな」とまで言われてしまった。
そして、【鬼ヶ島】の参戦……これは確実に俺を狙ってやってきてるに違いない。
俺は真っ先にこの国からの夜逃げを開始した。
こんな所に居られるか!!
もっと、もっと遠くに逃げないと駄目だ。
もっと、もっと、貰えない、もっと!!!
走れ、走れ、走れ、走れ!!!
走れ、走れ、走れ、走れ!!!
走れ、走れ、走れ、走れ!!!
あの、格好は……【バンディット】じゃないか!!
丁度良い、渡りに舟だ!!
「あん、お前【魔導帝国】の――――」
「頼む、俺を匿ってくれぇぇぇぇぇぇ!!」
「なっ、誰がお前なんかを」
「例え捕虜でも構わない。匿ってくれるのなら、なんだってする!! お願いします!!」
「お、おぅ……とりあえず、スクラップの所に連れてってやるよ。だから、その涙と鼻水拭けっての」
「あ゛り゛がどう゛!!!」
こうして商人夜叉は【バンディット】に亡命した。
この行動が、後の嵐の引き金になろうとは、誰も思わなかったのである………。
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