ホワイトアウト
「世界をひっくり返すにあたって、まず真っ先に必要なのは人手じゃの。何をするにしても人手不足だと他の連中に遅れをとってしまう」
「人手か……ある程度が知能があれは人間以外でもアリなの? 例えば玉藻前のようなケモノっぽい奴とか」
玉藻前を見る感じ世界観的に割とファンタジーなんじゃないかと思っているんだ。
もしかしたら、獣人とかエルフとかの定番種族だって存在するのかもしれない。
「それなら、この洞穴から出て山の上に登っていった先に雪の妖精達がおるぞ」
「雪の妖精?」
「雪の妖精達は普段寒い山奥に生息すると言われていて、よくモンスターを集団で凍らせておる」
雪の妖精か……集団で狩りモンスターを狩りする程度の知能と力があるって事はちゃんと育成すれば戦力になるな。
後はどうやって引き入れるかだが……これは俺自らが出向く必要があるな。
「そうそう、そなたに焔を渡そう。仲間に引き入れる途中で死なれたりしたら困るからの」
[九尾の焔を入手しました]
九尾の焔
九尾の力の源。
妖しく輝いていて近くに居るだけで耐寒状態を付与される。
なお九尾がその場を覗いている。
いわゆる暖房具兼GPSかよ。
まぁ変な事はしないし有り難く受け取っておこう。
「それじゃ、妾はこの
いやお前はぐーたらしてるのかよ。
働けよ未来の王様。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
辺り一面真っ白な雪景色に覆われたこの地はごく一部を除いて生物を寄せ付けない極寒の大地と化している。
その
何せ吹雪が吹き荒れている。
「いやどこ居るか分かるか!!」
完全にホワイトアウトだろこれ。
視界悪過ぎて何も見えねぇぞ。
グロの探知にも中々引っかってくれないし、見つかったとしても大抵小動物だ。
一体どこに隠れてやがるんだ?
「これ九尾の焔無かったら速攻で凍死するんじゃねぇのか」
現実世界の言葉で”冬将軍”なる言葉が出るのも納得だな。
進軍中に自然にやられるなんてたまったものじゃない。
これが敵兵に向いてる内は有り難いのだろうが、普段は自分に向けられてるのが厄介だな。
「ほーら、リスちゃん木の実持ってるんだろ出しな」
しかもこのゲーム空腹ゲージなるものが存在していてスタミナの回復量に影響するし、最低値になったら継続的にダメージを喰らうようになっている。
だからこうして木の実を溜め込んでるリスにカツアゲして食料を得ているのさ。
「人材に食料問題……やる事が積み重なってくな」
それに、よくよく考えたら俺初期装備だもんな。
真冬に真夏の服装で居るようなものだから、そりゃ極寒状態なるわ。
ピコン。
周りに誰か居るって言ってもどうせ小動物かなんかだろ。
もう木の実はカツアゲしたからスルーかな。
ピコン、ピコン、ピコン……。
ピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコン――――
「……ん?」
ピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコン――――――
「待て、流石に多すぎないか?」
「カァ!!」
突然、周りを囲むように緑色のマークが大量に出現した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます