この星に愛されている

古 散太

この星に愛されている

コンクリートの箱のないところで

空を見上げてみる

どこまでも広がる浅く深い青

そこにひとつの雲が流れている

誰に遠慮をすることもなく

ゆるやかな風に押されて

目的もなくどこまでも流されている

ぼくはそれを見上げている


空の向こうにある宇宙にまで

心を送り届けてみる

どこまでも広がる黒と紺と光の点

果てのない空間にぼくはただよう

振り返ればそこに青く輝く地球

ゆっくりと二四時間を刻んでいる

こんな終わりのない空間の中で

ぼくはそれを見下ろしている


ぼくたちの手の届かないところで

この星は生きて存在している

どこまでも純粋で本質的な天体

自我などどこにも見当たらない

それでもぼくはここに存在している

この星に抱きしめられて生きている

人の手で作ることの出来ない純真

ぼくたちはこの星に愛されている

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この星に愛されている 古 散太 @santafull

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