魔法の宝島

まかろん

前半

 「わぁー、きれい!」

二人は、けしきのきれいな島に来ていました。少しどきどきする、楽しいぼうけんの始まりです。

 ある日、ゆりあてに図かんとかぎがとどいていました。そして、ゆりはすぐにそれとペットのねこのもふを持って二階の自分の部屋に行き、となりの家の友達を呼びました。

「かー君!なんかふしぎな物がとどいてたよ!」

かー君とは、ゆりの一才ちがいの友だちのかいとのあだ名です。

「なあに、ゆーちゃん。」

そして、ゆーちゃんは、ゆりのあだ名です。

「これは、どこかの地図かな。」

「そうかもね。ちょっと行ってみたいかも。」

「にゃふん!」

そんな話をしていると、いきなりたくましい男の人が出てきて、言いました。

「わしといっしょに行くかい。そのたから島に。」

「え、だれ?まあいいや。行きたいです!」

「にゃあ?」

「いや、ゆーちゃん。こんなあやしい人について行ったらだめだよ。」

「わしは海の神ポセイドンだ。それでは、しゅっぱーつ!」

ポセイドンがそう言うと、船にテレポートしました。

 そこから一時間。たくさん話していると、すぐに着きました。

「それでは、このやりをやろう。あんないしてくれるぞ。」

「ありがとう、ポセイドンさん!」

「にゃん。」

まず最初にゆりたちが向かったのは、うっそうとした森です。

「暗いね、ゆーちゃん」

「そうだね、気をつけよう。」

森には、たくさんの木の実と美味しそうな栗がありました。

「ワタシハ、図カンノ説明ヲスルモノデス。コノ図カンハ弱ッタリ、ノゾンダモノガコノ図カンニ入リマス。」

「えっ!図かんがしゃべった!」

「にゃにゃにゃ。」

ゆりは、びっくりして図かんをほうりなげてしまいました。

「イタイデスヨ。ランボウシナイデクダサイ」

と、図かんがとんできて言いました

「ごめんなさーい。」

そんな話をしていると、いきなりこうもりのような生物が出てきました。

「ひゃっ。こ、こわーい。」

「ひいっ。ちょっとこわいけど、たたかわなきゃ!」

かいとは、ポセイドンにもらったやりでたたかいはじめました。

 しばらくたって、こうもりのような生物はぼろぼろになりました。すると図かんが言いました。

「コノ『コウメリイ』ハ弱ッテイマス。ホカクシマスカ。」

「どういうことかな?図かんさん。」

と、ゆりが聞きました。

「エエー、サッキ説明シタノニ。」

なんと図かんが文句を言いました。

「そんな事言わずに。おねがい。」

「にゃああん」

かいともふがねばります。

「ハイハイ。ワカリマシタヨ。」

『ありがとう!(にゃあ!)』

二人と一ぴきの声が重なりました。

「ソレデハ、説明シマスカ。マズ、ワタシハトクベツナ図カンデス。シャベレルシ、ソレニタカラ島ニイル動物ヤ、魔物ヲ図カンノ住人ニデキマス。ソノ動物ナドハ、呼ビヨセル事ガデキマス。ソシテ、図カンニ住マセル事ガデキルノハ、弱ッテイルカ、図カンニ住ミタイト言ウ動物ダケデス。コレデ分カリマシタカ。」

そう図かんが説明している間に、もうゆりたちはねむくなってしまいました。

「図かんさん。もっとかんけつに説明して。」

「そうだよぅ。かー君の言う通り。」

「にゃふう…」

「マア、トリアエズツカマエマスネ。」

そうゆりたちが言っていると、日がくれてしまいました。でも、ゆりたちはテントもねぶくろも持っていません。つかれてねむい二人と一ぴきと一冊は、さっきつかまえたコウメリイにわらやぬのを持ってきてもらい、もふのつめを切ってはりにして、もともと図かんに入っていたヌーイモウノという魔物にぬってもらって、ベッドを作りました。そして、あまったものでテントを作り、そこでねました。

 次の日。へびなどの動物や魔物をつかまえて、なかまにしました。なかでも、へびは頭が良くて地図を見てこの動物はこんな動物だよと教えてくれました。へびは、島の入口で来る人を見ていたそうです。そして、その人がたから島に入ってけがをして家に帰れないことにならないように、けがをしそうな人は追い返していたそうです。

 ゆりたちは、床が氷の雪山にいました。寒いので、ポセイドンがくれたコートを着ました。ふしぎなことに、そのコートはサイズがぴったりなのです。でも、のんきなゆりは、

「わあ、あたたかくて気持ちいいなあ。」

と思って、全くふしぎに思いませんでした。そして、雪山をしばらく進むと、大きなしろくまがいました。しろくまは、とても美しい雪のような白で、あまりこわくありませんでした。

「グ、グオオォーッ」

でも、ゆりたちはしろくまの体がふるえているのをみて、

「このしろくまさん、こわがりなのかな。」

と思ってしまいました。なので、

「しろくまさん、なかまになりますか。」

「なかまになったら、しゃべれるようになるんだあ。」

「クオオォ!」

しろくまは、目をかがやかせてなかまになりたいと言いました。そして、しろくまはふかふかのおなかの上でトランポリンみたいにはねていいよと言ってくれたので、はねて遊びました。その時。

「バキバキバキィッ」

と音を立てて、いきなり床の氷がわれました。そして、ゆりたちは、海に落ちてしまいました。海の中には、クラーケンという悪魔がいました。クラーケンの仕業だと、ゆりはすぐに気が付きました。

「ごぼごぼごぼっ」

泳ぐのがとくいなゆりはいいですが、かいとは泳ぐことが苦手です。かいとがおぼれそうになったとき、

「にゃああっ!」

もふがなきました。びっくりしてもふを見ると、もふが大きくなっていました。ゆりはおどろきましたが、それよりかいとだと、いっしょうけんめい考えました。ふわふわの毛の中なら、空気があるかもしれない。そう思ったから、かいとの手を引っぱってもふの毛の中にもぐりこみました。すると、青くかがやくペンダントを見つけました。そのペンダントは、青い猫目石でできていて、とてもきれいな細工がしてありました。ゆりは、

「もふがこの島に来てから、よく毛をなめていたのは、ここがかゆかったからなんだな。」

と思って、そのペンダントをつけました。そうすると、ペンダントが光って、ゆりは水の中で息ができるようになりました。そして、かいとからやりを受け取り、クラーケンとたたかいました。水の中ではげしいたたかいが火をふきます。

 三十分くらいの時間が立った時、ついにそれをたおしました。

「やったぁーっ。たおしたよっ。」

そして、その後、そこの水が抜けて、かいとも外に出ることができました。すると、階段が現れました。ゆりたちは、この階段は上らなくてはならないと思って、一段一段、ゆっくり、しっかり上っていきました。

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