2/9:草蒸し風呂の湯気
2/8
午前の出来事
・雪が積もってた! たまーに雪自体は降ってたんですけれども、積もるくらい降ったのは初めてですかね。ま、うっすーらですが。
午後の出来事
・鯛焼き屋さんに行って車で食べました~。しっとり系じゃ無くてサクサクしてるタイプの所、安いのにあんこ沢山で、御座候並にリーズナブルでした!(伝わるかな?)
2/9
午前の出来事(昨日の深夜)
・ふとカラオケを回想し、友達の聞いていたボカロを執筆中に流してみた。けれども機械的な高音に耳がダウン。……へぇ? やっぱり私はアナログな人間ですかい。
午後の出来事
・お風呂屋さんのサウナに入ったらそこは草蒸し風呂でした。……う~ん、湯気でなーんにも見えませんでしたね。
<草蒸し風呂の湯気>
きぃ……もわっ
前にいた人が古めかしい風合いの扉を押してその中へ消えていく。
第一の印象は脳からではなく感覚神経から伝わって、視界を奪うこと以外は無害の煙が私を包む。
看板が言うにはここは草蒸し風呂で、スチーム効果とやらでじんわりと体を温めるものらしい。
ふと思えば、最近乾燥の脱水症状で体調を崩したばかりだ。どうだろう、君は私に水をねじ込んでくれるのかな? えいっ、と赤く主張する小学生以下進入禁止の警告表示を押し倒して扉を開く。
きぃ……もわっ
そこは白の世界だった。視力が悪いせいで周りを見づらいことには慣れているけれど、五感の一つを奪われるとやっぱり不安になるもので。私が一歩踏み出すのを躊躇したのも仕方ないことだろう。
えいっ
本当に何も見えない、椅子の場所すら分からないからみっともなく腕をふよふよと彷徨わせてプラスチックの感触を探し出す。彷徨ったつもりだけれども後ろを振り返ってみれば入ってきたはずの扉がうっすらと光っていて、さっきまでの行動が恥ずかしくなって。
かけ湯の場所だって分からないから椅子で火傷しないか心配だったけれども、スチーム効果とやらで巻き上げられた水が座面をコーティングしてくれていたらしく、しっとりとした感触が肌を包む。
きぃ……もわっ
新しい人が入ってきて、その人もまた私のように初めて入ったのか行く当ても無く手を動かしながら扉の中へ入ってきて、なんだか少し親近感を覚えてしまう。
きぃ……もわっ
扉が開くと共に背中を冷たい風が撫でて、少しばかりそれがくすぐったくて。ぼうっとしていた私は耳に届くひたひた、ひたひたという前までとは違う足音にびっくりしながらつい顔をそちらの方へ向けてしまう。
その人は迷いのない様子で歩みを進めて、私の視界から消えたと思えば、ガタンという椅子に座る音が聞こえた。……あはは、常連さんかな。流石、手慣れてるや。親近感を覚えた後だから次に感じるのは尊敬か? 感情豊かに生きられたら物語にでもしやすかろうに、そこまで私は粋じゃない。残念ながら、そう純粋じゃないんだ。
きぃ……もわっ
扉を内側から開いて、急に開いた視界に戸惑いながら水風呂を目指して歩く。水風呂にパシャッと浸かって60をゆっくり頭の中で数えてから、夜風にこの身を晒すようにして椅子に腰かけて、サウナの中でそう慕うように目を閉じる。
じんじん、じーんじん。別にサウナオタクなわけでもないから何度もサウナに入る訳じゃあないけれども、確かにこの感覚が私は好きだ。
ぼんやりと浮かぶ明るい月は、私の目に輪郭しか映さないくせに、神秘的なのはなんでだろうな。ああ、来週からはテスト二週間前を切ってくる。言い息抜きにはなったかな。
身体を伸ばして、リラックスして。どこまでも平凡でありきたりな、そんな一日。
明日はどんな日になるのかな、でもとりあえず今日は、おやすみなさい。
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