第35話 余暇
ある休日、色々と活発に行動してきた夏休みではあるが暇を持て余していた。
リビングのソファーでぐでーっと脱力してるだけでは勿体なく感じてしまう。そんな俺の傍らには、テーブルにノートパソコンを置き真剣な顔をしている美麗が居る。仕事中かな…?
う~ん…。家もいいんだけど、こう、なんか動きたいなぁ。って気分だ。なんかないかな。
あっ!釣りなんかどうだろ!
「釣りがしたい!」
「--------------日焼けしますの…。」
「あぁー…確かに。」
ちょっと考える仕草を見せたあとに美麗がそう答える。確かに美麗は色白でケアしてる場面をたびたび見るしな。気にしているんだろう。夏場は外出時にはいつも日焼け止めしてたりするし。
なにかいい手はないかと、ごろごろしながらうんうん唸っていると家事を終えた沙耶が声を掛けつつ俺の上に乗っかってきた。あつい!
「海だと日焼け大変なことになりそうだけど、川とかなら大丈夫じゃないかなあ。渓流釣りって言うんだっけ?」
「沙耶様天才?」
「えへへ」
そう言って沙耶の頭を撫でてあげるとゴロゴロ聞こえる。猫かな?
会話を聞いていたであろう美麗に期待を込めた顔を向ける。
「朝の方がいいらしいですの。あと、遊漁券が必要らしいですの。」
ずいぶんなキメ顔だけど、後ろのPCに写ってる子猫の動画が…。ゴロゴロ聞こえたのそっちからかよ!
「へえー、朝のがいいんだ。それじゃあ、これからすぐってなると準備大変すぎるか。明日にして朱莉も呼ぶわ」
「賛成!朱莉さんに会うの楽しみ!」
「場所はどうしますの?」
「どうしよっか。-----一応聞くけど当てあったりする?」
「ありますの。」
「あるんかい!じゃあ、そこでお願いできる?」
「わかりましたの。」
ここまでくると龍宮寺家の出来ないこと探してみたくなるな…。なんて、馬鹿なことを考えていると
「はいですの。」
「えっ?」
美麗が俺にスマホを差し出してきた。えっと?画面を覗くと、通話中?表示名は…ママまじか。
「代わりました達也です。ごぶさt…」
「固いですわ!!」
耳キーンなるわ…。
ママ呼び恥ずかしいしそろそろ名前教えてくれねぇかなあ。まじで頼みたいんだけど、聞き入れてくれるように持って行く自信がねえんだよな。
「ママいつもありg」
「みゆも行く!!!」
「あ、あ。おっけー、みゆちゃんもいこっか!」
鼓膜イったかと思って自分で発声して確かめちゃったわ。
「うん!また明日ね!!!ガチャ…ツーツー。」
切れるマジか…。
ふぅ…。そうだ!
気を取り直して朱莉にも電話しておくか。せっかくの埋め合わせの機会だしな。そう思い早速スマホで朱莉に電話を掛ける。
「おっ、朱莉明日なんだけど釣r」
ワンコールで出た。早いな。
「いま行く!!!ガチャ…ツーツー。」
……。俺の周り話聞いてくれない人多くない?
「沙耶ー、美麗ー。今から朱莉くるってー」
「はーい!」「はいですの。」
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朱莉は昨日普通に居座った。ドヤ顔でお泊りセットを見せつけてきた時は流石朝倉家だなと。
俺の知る女性陣1番のまとも枠?である沙耶に目を向けても笑顔で「いいね!」だったので、完全に囲い込まれたな。囲ってると思ったら囲い込まれてた。そんな気持ちになったね。
さてさて、そんな感じで無事?朱莉も誘うことができた翌朝。
みゆちゃんを乗せた車がマンション前に着いたとの連絡が入ったので、みんなと共に家を出る。
エントランスを抜けて外に出ると一台のミニバンが目に入る。山道を通るからか珍しくリムジンじゃないな。アル〇ァードかな?
俺たちの姿が見えたからかアル〇ァードのドアが開き、みゆちゃんが駆け寄ってくる。勢いそのままのダッシュで体当たり気味に抱き着いてきた。
ちょっと痛いよ?
「達也おはよ!!」
「あ、あれ?おはようみゆちゃん」
呼び捨て…?もしかしなくてもルート入ってる?
不安げに一緒に家を出た女性陣の面々に顔を向けると沙耶と美麗は頷き、朱莉は片手で自分を差し、もう一方の片手で目一杯前に3本指を立てていた。
「3番目は私ね!!」
「あ、うん。普通に言うのね」
「言質取った!沙耶も美麗も聞いてたよね!?」
「よかったね朱莉さん!」
「おめでとうですの!」
「みゆよんばん!」
みゆちゃん気が早いよ…。
遠い目になっちゃった。
気付けば大所帯になったなあ。ツッコみ放棄して今は釣りに想いを馳せよう。
たのしみだなぁ…
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