第32話 プール


今日は美麗のお力添えで朱莉と共に貸切プールに行くことになっている。


俺の家まで朱莉が車で迎えに来てくれた。車内で二人か…。とも思ったが朱莉は運転だ。


特になにも起こらず目的の建物付近の駐車場に到着した。意外にも朱莉の運転は危なげなくちゃんとしていた。やるじゃん。



駐車場からちょっと歩くということで、朱莉と並んで目的地に向かう。


へえーこんな街中にプールなんてあるんだ。え?このビル?


朱莉に案内されたビルは、レジャー施設って感じが一切なく普通のビルにしか見えない。


え、怖いんだが…?今日の目的地ってプールだよね?監禁生活とかになんないよね?ちゃんと美麗の教えてくれた場所だよね…?


そう内心怖がりつつも朱莉を信じて一緒にビルへと入り受付を済ませてからエレベーターに乗る。よかった。受付あるならまあ変なとこだけど危なくはないね?ないよね!?


目的の階層に止まり、少し進んだある一室の前で「ここで着替えよっか!」と朱莉に言われる。


ん?豪華ではあるが普通にここリビングっぽいが?ここじゃなきゃダメなのか?ああ、そう。ここじゃないと着替える場所ないのね。おーけーおーけー。


「私もここで着替える!」


「え、朱莉も!?」


「終わった!」


いきなりスカート脱ぐからびっくりした。下に着てきたのか。朱莉らしいな。そんなことでドヤ顔しないでくれ。


更衣室ないのかな。金持ちの考えることはわからんな。なんて思いながらもガン視してる朱莉の前で着替えを済ませる。


少しは視線外せ。怖いぞ。




その後、また朱莉の先導でプールへとたどり着いた。


ああ、はいはいはい。そういうことね?やってくれたな?


目前に広がる光景に何とも言えない既視感を覚える。というかよく見た光景だわ!画面上でな!!ふざけんな!!



少し斜めにある開閉式の窓、6.6m×3.2mのプールがあった。


例のプールですね。ここ。


なにこれもしかしてここで抱けってか!?ふざけんな!!純粋にプールを楽しみたかっただけなのに…気が付いたら例のプールに来ていた件について。


一本これで作品作ってやろうかこのやろう!R-18不可避だけどな!!2時間の動画が完成ってか!?



「じゃじゃーん!」


「おい歳考えろ」


「なんでよお!!」



このプールのこと知ってるのおかしいよな?とツッコむべきか悩んでいたところで、朱莉が羽織ったパーカーを脱ぎ捨て水着姿を披露し始めた。


見せてくれるのはいい。よかったのはそこまでだ。朱莉さん…なんでスク水なの?ほんとに一本作品撮る気か?



「こんなはずじゃ…」


「俺のセリフな?」


「まあいいや!どーん!!」


大きく水しぶきを立てプールに落とされる。ええ…めっちゃぬるい…。


「おい!あぶねえだろ!」


「どーん!」


続けて朱莉(24歳スク水)も入水してきた。


「ぬるいねっ!」


「だな…」


「せまいねっ!」


「元気だなあ。」



ばっしゃばっしゃと水を飛ばしながら楽しそうにはしゃいでいる朱莉を見るとなんだか元気が出てくる不思議。


ぬるいし狭いしで俺は全然だったんだがな。朱莉の姿を見ているとこのままじゃ勿体なく感じる。例のプールに来れる機会なんて今後あるかわかんないし、一緒になって楽しむか!


なぜか部屋の片隅に置いてあったバランスボールを水面で投げ合ったりして楽しんだ。ぶつかったら普通に痛かったわ。



朱莉はほんと子供みたいな人だよな。家の屋上でビニールプール用意したらそれでも喜んでくれそう。無邪気というかなんというか。一緒に居て楽しい。


断じて俺がセッティングしたわけじゃないが、例のプールでここまで喜んでくれるんだ。今度はちゃんと海にも連れて行ってあげなきゃな。




休憩も適度に挟みつつ、狭いプールでよくこんな遊べたな?ってくらいには遊んだ。それでも予約していた時間が少し余ったようだったので、プールからは上がりプレイルームに移動した。


ちょっとしたカジノみたいな一室でポーカーとかが楽しめるようだ。


満喫するほどじゃないけど、何ゲームかは出来るだろうと部屋に備え付けられた電話機で受付に連絡し、人をよこしてもらう。二人じゃディーラーなしになっちゃうからね。雰囲気の為にも欲しい!


ディーラーが来る前にルールの確認をする。俺はわかんないからな!


「朱莉はポーカーわかる?」


「少しわかるぐらいだね!」


「やったことある感じか。この表にある役で出来るだけ強いのを揃えればいいのか。」


「そうそう!」


ん?ああ、いつものか。朱莉がカバンをゴソゴソしはじめ一冊の本【年下男子をリードする!魅惑のお姉さんになる方法100選。】を取り出して確認している。



「えっと達也みたいなタイプの男の子には(小声)---------手加減しないよ!私が勝ったら一日言うこと聞きなさい!!」


「言うねぇ!俺が勝ったら朱莉の一日もらうからな!」



条件反射で言葉を返しちゃったが…。ん?WIN-WINじゃね?まあいいか。



その後は、何回かポーカーを楽しんだが朱莉が全部勝った。イカサマしてない?全部の回でちゃんと役揃えるってどうなってんだ?


「やったー!達也どこ行きたい!?」


嬉しそうでなにより。俺に聞いていいのかい?


言うこと聞かせたかったわけじゃないのね。本に書いてあることそのままストレートに発言して、そのことを忘れちゃうアホなとこも可愛いよ。


「朱莉と一緒ならどこでもいいかな。朱莉が一番行きたいとこでいいぞ」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る