第23話 体育祭 後半

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二話構成。後半。

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体育祭の目玉でもある借り物競争は午後に行われるのでまずはご飯だ!


当然レクリエーションの主役である男も今日ばかりは午後も参加だ。


ということで、さっそくご飯を食おう!昼休憩になったので沙耶は当然として美麗さんも誘うことにした。


校庭でレジャーシートを広げて3人で座る。こうやって外で食べるのいいよね。非日常感があって。夏休みにピクニックってのもありだよなあ。


そうして、沙耶の作ってきてくれた弁当を美麗さんも入れて3人で食べ進む。弁当の量が3人分なのは流石としか言いようがないわ。さす沙耶!



「美麗さん足はやかったんだね。びっくりした」


「それほどですわ。幼少期から運動は欠かさなかったですの」


おっとぉ?心なしか得意気だ?口元ニヤけちゃってるの気付いてないね?かわいいなあ。


「いや、すごかったよ!かっこよかった!----あれだけ早かったんだし、リレーも出るの?」


「はいですの。---達也さん、応援してくださる?」


「もちろん!がんばってね、応援してる!」


「私も応援してる!がんばってね美麗さん!」



むむ。そうか、沙耶も美麗さんって呼ぶのか。


若干のジェラシーが…。自然にはならないかもだけど、一歩前進しとくか。



「美麗口あけて。はい、あーん」


「あ、あーん」


急すぎたかもしれないけど、美麗は顔を真っ赤にしつつ卵焼きを食べてくれた。


「あーん!あーん!」


ああ、こっちにもひな鳥いたわ。


ごめん沙耶。たまにやってるし、美麗さん優先しちゃった。はい、あーん。


やってから気付いたけど、こんなんしてる周りにも生徒いるんだよな…。普通に恥ずかしかったわ。その後は、恥ずかしさを覚えつつも何度かやって満足してくれたのかようやく収まってくれた。





午後一発目の競技はリレーだ。その後に借り物競争で体育祭終了になる。


リレーはクラスで分けられてて、一クラス5人選出するかたちだ。5クラスで走って上位2クラスが決勝って感じだな。


実質大抵の生徒はここで競技終了だからか、応援にも熱が入っていた。



気になる我が1年C組のリレー結果なんだが…。


うん。予選で負けちゃった。でも、しょうがなかったなあれは。


推薦で入った陸上部の子が他のクラスにいるんじゃ勝てるわけないもん。やつらは将来五輪行くね。俺にはわかる。


っと。レースを終えた美麗さんがちょっと涙目だ。慰めに行かねば!!



「おつかれさま。がんばったね、かっこよかったよ」


声をかけながら、美麗さんを抱きしめる。泣き顔はしまっちゃおうね。もちろん頭も撫でる。癖になってんだ。



「ありがとうですの…。」


そう言いつつ、胸に顔をうずめる美麗さんから、時折名前を呼ばれてドキリとする。


うんうん。謝らないでいいよ。みんな拍手してたでしょ?がんばったがんばった。



慰めている間にも決勝が始まり、大歓声に包まれながら終わった。こりゃ白組の勝ちっぽいな。来年は勝とう!


決勝の間もずっと美麗さんは抱き着きモードだった。最初こそ落ち込んでる雰囲気はあったものの、もう絶対回復してるよな!?とは思ったが離れなかった。離れてなるものかと強い意志を感じたよ。




そうして体育祭の目玉と言ってもいい種目、借り物競争が始まるので男子は呼ばれ開始地点に移動した。


移動前にまだ達也成分が足りなかったのか美麗さんに袖を掴まれた。あの?移動ですよ?なんとか離れてくれたけど、またすぐ迎えに行くんだよなあ。



周りも見ると、ちらほら体操服のズボンの色が違う人もいるな。先輩達か。呼ばれて参上したみたいだな。さすがに制服ではやらなかったようだ。



俺の走る順番は----うん。2番目か。5人ずつやるみたいだ。一学年だと30人しか男いないから6回で終わる計算か。まあ、結構いい時間っちゃ時間だもんな。


第一レースを眺めつつ、違和感が…。なんかスムーズにいきすぎじゃね?迎えに来られた女子生徒たち嬉しそうではあるけど驚いてないよね?これ、いつものやつだろ…裏取りしてますよね?(名推理


なんて考えてるとあっという間に自分の番になった。


ちなみに俺の書いたメモは、婚約者にしたい子。だ。


まあ、もうバレバレというか既に知られてるんだけどな。


プロポーズの相手とか書いても良かった気はするんだけど、みんなの前でってのは流石に恥ずかしすぎるのと相手もどうなの?って感じだし、それにそこまでの度胸は持ち合わせてないわ!それに、まだ指輪も申請したばっかで届いてないしな。



でも、そうだな。夏休みには婚約者として傍に居てほしいし、次のデートの時にプロポーズするかな。


沙耶の反応とか美麗さんの態度とか絶対大丈夫ってのはわかるけど、緊張するもんは緊張するな。


いや、まて。次のデートの場所レストランか…。なんか気合入れまくってる感じがして恥ずかしいな。うん。夏休み前には決める!



まあ、いま考える事じゃないか。いまはただ借り物競争を楽しもうと気持ちを切り替える。



そうして始まった借り物競争。スタートの合図と共に走り出す。


横目に美麗さんの位置も確認。さっきまで甘えん坊モードで一緒だったし、すぐに見つかった。


そうして、ご丁寧に名前が書かれたプレートが掛かっている机にメモを取りに走った。



え?-----なんで?



他の近くにある机を確認してみても、メモは一枚しかない。


再び俺の机を確認すると二枚ある。なんでぇ?あさくらぁ?どこだぁ?


そうして混乱しつつきょろきょろしてるあいだに、俺が一番早くに到着していたんだけど、続々と周りの男子達はメモを取って去っていってしまう。


しょうがないので、両方取りつつ美麗のもとに向かいながらメモを確認する。



【お題:婚約者にしたい子。相手:龍宮寺美麗。手繋ぐで。】



ああ、まずは俺のか。ここまできっちり書かなきゃok出なかったからな。さて、つぎが問題だ。



【朱莉もお願いします】



絶対いま伝えることじゃねえ…。


終わったら奴(朝倉先生)とは話し合いをしないといけないな。本当に何事かと思ったぞ。これしか俺が持っていかなかったらどうしてたんだあの人…。



そうして、完全に来ることをわかってそうな美麗さんを連れ、最下位でゴールした。



こうして無事?体育祭を終えた。




え?朝倉先生どうしたって?


呼び出した瞬間からもう涙目だったから、伝えるの今日じゃなかったね?って一言だけで許した。俺も大概チョロかったわ。



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