お墓参り
第17話
学校が終わり葵とバイバイしてから、私はある場所に向かった。
「にぃに、龍くん、久しぶり」
そう、2人が眠っているお墓に。
私は彫ってある2人の名前を指でなぞった。
「来るのに4ヶ月もかかっちゃった、ごめんね
葬儀も最後まで居れなかったし。」
お墓参りを終えて、“葉山”と書かれている墓石をしばらくボーッと眺めていた。
「おや、これは珍しいこと」
私は声のする方を見ると、そこにはお坊さんが立っていた。
「葬儀以来ですね〜」
その言葉で、2人の葬儀を担当してくれていたお坊さんだと気がついた。
私はペコリとお辞儀をした。
「彼らは人気者だったんですね。」
「へ?」
お坊さんの突然の言葉に、私は変な声を出してしまった。
するとお坊さんは、ゆっくりと私の方をみた。
「ほぼ毎日、たくさんのお方がここに足を運んでおります。
それはもう、色んな感情を持った人が。」
「毎日ですか。」
「はい。あなたが勇気を出してきてくれたこと、お二方はさぞお喜びでしょう。」
お坊さんは微笑んでいた。
それはもうとっても嬉しそうに。
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