番外編 恋は終わらない




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1. 新婚生活の始まり


 結婚してから、数ヶ月が経った。


 「おはよー……って、え?」


 目を覚ますと、ベッドの端で寝ていたはずの雄也が、ほぼ落ちかけていた。


 「ちょ、なんでそんなギリギリで寝てるの?」


 「……彩花の寝相が悪いせいだろ。」


 ぼんやりと目を開けた雄也が、俺のせいだと言わんばかりにため息をつく。


 「え、嘘!? そんなことないでしょ!」


 「いや、ある。ほら、証拠。」


 雄也はスマホを取り出し、動画を再生する。そこには、ベッドの半分以上を占領して堂々と寝る私の姿が——。


 「……これ、私?」


 「他に誰がいるんだよ。」


 「やば……。」


 新婚生活、始まって早々に私の寝相の悪さが発覚する事件が発生してしまった。



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2. 些細な衝突も、幸せのうち


 結婚しても、私たちは相変わらずだった。


 「ちょっと、雄也! 靴下は洗濯カゴに入れてってば!」


 「わかってるって。」


 「毎回言ってるんだけど?」


 「でも、そんな彩花も、コップをシンクに置きっぱなしにするよな。」


 「ぐっ……。」


 お互いに直してほしいところはあるけど、それでも大きな喧嘩になることはなかった。


 「でも、こういうのって結婚生活っぽいよな。」


 「……まあね。」


 「それに、彩花のそういうところも含めて好きだから。」


 「……もう、そういうこと言わないの!」


 結婚しても、やっぱり雄也は甘い。



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3. 未来の話——家族になるってこと


 ある日、休日のカフェでぼんやりと話していたとき。


 「ねえ、もし子どもができたら、どんな名前がいい?」


 ふと、そんな話になった。


 「うーん……元気に育ってくれそうな名前がいいな。」


 「男の子だったら?」


 「そうだな……颯太(そうた)とか?」


 「お、かっこいい!」


 「じゃあ、女の子だったら?」


 「うーん……陽菜(ひな)とか、可愛くない?」


 「陽だまりみたいで、いいな。」


 そんな未来の話をしながら、私はふと気づいた。


 (ああ、私たち、本当に"家族"になったんだ。)


 結婚前と変わらない関係。だけど、こうして未来を想像するたびに、雄也との絆が深まっていく気がした。


 「これからも、ずっと一緒にいようね。」


 「当たり前だろ。」


 そう言って笑う彼の顔を見て、私は心から幸せだと思った。




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