第十一話まで拝読しての感想です。
なんだか堪らなくなってきたので書くのです。
主人公は、とある理由で、失いたくないものを失います。
その過程、彼女のこころの動き、そして周りのひとたちがそのことに対してどう振る舞ったか。その描写がほんとうに胸に迫って。作者さまの筆致の素晴らしさもあろうし、個人的な理由もあるだろうけれど、とにかく、震えて。
そうして、もうひとつの影が彼女の横にはあるんです。
その影が、彼女にゆっくりゆっくり、促すんです。
足元、みてごらん、って。
失うことと、取り戻すこと。
主人公の姿は、きっとあなたとわたしと、そうしていま、世界のどこかで一生懸命に明日をみている、みんなの姿。
主人公といっしょに、わたしといっしょに、たどりませんか。
大事なものがもういちど、手のひらできらきらするその日までの、道のりを。