このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(205文字)
祖母と母とは血が繋がっていなかった。その祖母の遺品を片付けているうちに、思いがけない所から現れた、誰かからの古びた手紙。血は繋がっていなくとも、確かな絆のあった祖母。その祖母が生涯わたって愛を捧げ続けた人。その言葉が、私の背中を押してくれた。時と血をこえて繋がったあたたかな思いの話。
祖母の遺品整理の最中、小さな素焼き人形から物語は始まる。人形と一通の手紙が過去と現在を静かにつなぎ、愛と沈黙の時間が胸を打つ。「伝えられるうちに伝える」ことの尊さを浮かび上がらせ、余韻の深いラストが、読者の目頭をそっと熱くする珠玉の一編。
本作は、一週間前に亡くなった祖母の遺品整理から始まる親指ほどの大きさの素焼きの人形に隠された手紙には──というあらすじの本作品は、たった二千文字の短編であるにも関わらず、心に痛みと温かさを残していく祖母の生き様が、現在の主人公の背中を押すさまが、とても美しい伝えたいことは、伝えられるうちに伝えるそんな大切なことを教えてくれる作品だ