第18話 確かめさせて下さい(パート1)

午前中の仕事を終え、寮に帰ったが・・・すでに荷物はなく・・・

迎えに来てくれた団長と一緒にこれから住む団長の自宅に向かった。

職場からこの団長の自宅に着くまでのことも・・・あまりよく覚えていない。

夕食は騎士団の食堂から持ってきてもらった食事をいただいた。

夕食の後、団長はぼんやりしている私に「大丈夫か?」と問い、私は「はい」と答えた。そんな私に団長が「寝ないで待っていてくれ」と小声で囁いた。与えられた新しい私の部屋に戻り、お風呂に入ってしっかりと身体を洗った。そして、私は妄想で熱った顔をそのままに部屋の中をウロウロと檻の中の動物のごとく歩き回っている。


団長が「寝ないで待っていてくれ」と言った・・・ということは、今夜ここに来るということだろう・・・

先日のエロフェロモン製造機となった団長に今度迫られたら・・・拒めない。

それに・・・嫌じゃないし・・・。

団長のことを考えたら、先日のこと・・・キスとか・・揉まれたこととか・・・

その他もろもろ思い出し、羞恥で全身の血液が逆流してくる。

団長が来る前からこの状態はマズイ!

私は大きなベッドにダイブする。

広いベッドは、私を難なく受け止める。

ベッドの上をゴロゴロ転がりながら、団長に伝えるべきことについて考える。

そう、私は不安なのだ。

そもそも、私はこの世界に突然来た。

では、突然元の世界(日本)に帰ることはないのだろうか?

そして、身体の構造はここの人たちと同じなのだろうか?

ここの女性は背が高くスラッとしている。そして、胸が大きくなるのは妊娠期から授乳期に限られているようだ・・・・だから、身体の構造に違いがあるのではないか?と思ってしまった。

一度感じてしまった不安は新たな不安をよぶ。

私は団長が好きだ・・・だから・・なおさら、

この身体の構造が気になる。

このことを団長に伝えてから、一緒にこの世界で生きてきたい!!


だから確認せねば・・・・。

団長にちゃんと聞かないと・・・と思うが・・・

いやっ、聞くって・・・本人に確認って・・・

ハードルが高すぎる・・・でも、確認しないと・・・

あやふやにした結果、とんでもない間違い(問題)が発生するとか・・無理だし・・

それに・・その・・・セックス・・て・・自分たちだけじゃなくて

子供の未来や・・・団長の家族まで巻き込んでしまう・・・かも・・・

そう思ってしまうと、確認は絶対に必要だと思う。

最初は、医師であるナナに相談しようと思った・・・でも、これって・・・

先ずは、団長に相談しなくてはいけないと思った・・・

だから、まだ・・・誰にも相談していない。


カチャッと音がして、

「ミサキ」

低い声で呼ばれ、私は勢いよくベッドから起き上がった。

ドアの前にはガウンを羽織った団長が立っている。

「あっ・・・えっ・・と」

「ミサキ、俺と暮らすのが嫌か?」

「俺が怖いか?」

団長が神妙な面持ちで近づき、私が起き上がったベッドのそばに腰かける。

ギシッと団長の重みでベッドが沈み、軋んだ音を立てる。

「違います。団長が好きだから、迷惑かけたくなくて・・・」

「でも、本当に団長が好きだから、一緒に暮らせるのは嬉しいです」

そして私は不安を打ち明けようと・・居住まいを正して団長に伝えようとした結果、

無意識にベッドに正座していた。

「団長、私は不安なんです。この世界に私は突然きた・・・じゃあ、突然元の世界(日本)に戻ることがあるんじゃないか・・・。そして、私の身体の構造はこの世界の女性と同じなのでしょうか?同じように子供を授かることが可能なのでしょうか?そして、団長の身体の構造は、私の元いた世界(日本)の男性と同じなのでしょうか?そんなことを考えてしまって・・・」

何とか不安なことを言い切ることが出来た。

団長は身じろぎもせず黙ったまま考え込んでいる。

眉間の皺が深く・・・なっていて・・・。

「ミサキ、俺は君が好きだ。言葉も通じて会話にも困らない。そして、気持ちも確かめ合うことが出来た。」

「・・・・・・・・」

少しの沈黙が部屋を包む。

団長は私を直視(ちょくし)する。

「ミサキ、酷なことを言うが、君が元いた世界に戻ることはほぼないに等しい。君がここにきてから過去の記録を探した・・・だが、『戻った』との記録はなかった」

団長が私をそっと引き寄せ抱きしめる。

「俺は、ミサキが側にいてくれたらいいと思っている。それ以上は必要ないと思う・・・だが、一方で・・・」

静かに話しながら、ゆっくりと何度も私の頭を撫でる。

団長の優しい気持ちと気遣いが伝わってくる。

私は、自然に団長に身体を預ける。

ふわっと香る、どちらのものかわからない・・石鹸の匂い・・・

そして石鹸の香りと一緒に団長の雄の匂いが鼻腔に広がる。

その香りを感じた途端、

ドキドキドキドキ・・・・

私の鼓動が速くなる。

「団長、私すごくドキドキしてます」

このドキドキを隠すことは難しくて、私は団長にそのままを伝える。

「ミサキの心臓の音が聞こえる」

「こんなに速く拍動させるなんて・・・どうしたんだろうな」

意地悪な質問とニヤッとした笑みで団長が問いかけてくる。

鼓膜を震わす低音の声は甘みを帯びていて、艶かしい。

私の理性が崩れていくのを感じる。

「団長、私・・・身体が熱くて・・・溶けそうです。

強くぎゅっと抱きしめて下さい」

なんだか、無性に抱きしめられたくて・・・つい願望を言葉にしていた。

団長に強く抱きしめられると・・・

身体の奥の方からムズムズするような何かにしがみつきたいような・・・

心もとない・・・そんな感覚が芽生え始める。

そんな初めての感覚に助けを求めるように団長の背を両腕で

ギュウッーーーーッ

としがみつく。

団長の背中が大きすぎて、私の手は回り切らない。

それでも、しっかりと抱きしめる。

ドキドキドキドキ

落ち着いて私の心臓!

団長にしがみつくように抱きつきながら、

私はゆっくりと深呼吸する。

「・・・・ミサキ・・・」

団長のささやく声が甘い。

「・・・・んッ、っんん・・・」

ゆっくりと唇が重なる。

重なった唇は強く、こじ開けられるようにして団長の舌が入ってくる。

上顎を中心に・・じっくりと舐めるまわる舌に翻弄される。

激しすぎて・・息が出来ず・・

団長の背中をたたく。

「・・・・だっ・・・だん・・長」

「ミサキ、すまない・・もう少しこのままで・・・」

団長にいつもの余裕がない・・・

不思議に思いながら目線を下げた・・・・

下げた視線の先には、団長の下腹部。

団長の下半身が・・・目に飛び込んできた。

団長の羽織ったガウン越しでも変化が見て取れる。

団長が私に興奮してくれていると思うと歓びが湧き上がってくる。

でも、その大きさに・・・驚く・・・私もいる。

やっぱり、これは・・確認が必要じゃない!

いざっ・・て時に・・・無理でした・・・は、洒落にならない!!

「団長、ちょっと待って下さい」

団長の肩を両手で掴み、大きな声を出す。

突然の私の大きな声に、我に返ったのか団長の目が大きく見開き、私を見つめる。

「団長・・・その、やっぱり確認したいです。

お願いします」

「ミサキ・・そのこれは・・その・・・」

ボソボソと小さな声で話しながら、項垂れる団長。

(可愛い・・・そんな団長もギャップがあって最高!!

これがギャップ萌え!!)

この状況下でも私の脳内は、はしゃぎまくっている。(あっぱれである)

「団長・・えっと、レオ・・。私もその一緒になりたいと思ってます。

でもその前に確認させて下さい」

私はガウンの上からソッと団長の下腹部を撫でるように触れる。

団長がピクッとして・・ガウン越しでも団長のソレからは熱さと怒張を感じる。

ゴクっと唾を飲み込んだのは、二人同時だった。

私は先ほどより大胆に団長のソレに触れながら「興奮してますよね?」

少し意地悪な質問をしつつ、団長のガウンの紐を解いた。

「待てっ、ミサキ!」

焦った様子の団長が私の手首を掴み制止しようとする。

団長が焦る気持ちは痛いほどわかる・・・でも!!

この団長の・・・は、大きすぎる!!

「レオ、これを挿れるのですよね?確かめさせて下さい」

「・・・・!!」

無言で見つめる私と団長。

ああ、まさか私がこんな事を頼む日が来るなんて・・・

はしたない・・・と思っている。

でも、この大きさよ!!

ちゃんと見ておかないと怖いよ!

「そ・・・の、大きくて・・・・ほんとに入るのかな・・みたいな・・・」

しどろもどろでなんとか説得をする私に、団長は

「はあっっっ〜〜〜〜〜」

盛大なため息を漏らした。

団長は掴んでいた私の手首を離し、自身でガウンの前を全開にした。

ガウンの紐が解かれ、見事に盛り上がった大胸筋と割れた腹筋が姿をみせる。

「そうだな。ミサキがそれで安心するなら・・・満足するまで確かめるといい。

それに、俺はミサキのものになる覚悟はできている。さあ、みろ!!」

潔い・・・けど・・・なんか、ちょっと違った感じになっている・・・

恥じらいが・・・ムードがない・・・こんなことを私は言えた義理ではないが・・・

上半身は全開になっているが、下半身はガウンがかかったままだ。それでも・・・ガウン越しでも臍につきそうなほど反り上がった・・・アレの存在がわかる。

この雰囲気のまるでない状況であっても・・・ソレはやる気を失っていなかった・・・。

私の顔が火照る。

そりゃ、見たいと言ったのは私。

でも、実際に・・・となると狼狽える。

それに、まじまじみることって・・・ないよね?!

経験が全くない私には・・・わからないが。

「・・・・えっと、失礼します」

太腿の中央部分にかかったガウンを捲れば、

団長の立派すぎる逸物が首をもたげている。

えっ??

下着って履いてないの??

下着の上から・・ソッと確かめようと思っていた私。

予想外の事に思考が停止する!!

どうしよう・・・?

ほんとの意味でのご対面であった。

そして、もっと重要なこと・・

確認するにあたって、必要不可欠なこと・・経験のない私には其の手の知識がない!

そして、そのことを今の今まで失念していた・・・・

私、元の世界(日本)でも、男性のアレって見たことない!!

小さいころに一緒にお風呂に入った父親のアレしか知らないことを・・・!!

そんな脳内と『どうしよう会議の真っ只中』の私。

「どうだ、ミサキ?」

団長のいつもの低音が問いかけてくる。

この状況でも冷静な団長にちょっと腹が立つ

(八つ当たりだと十分わかってはいるが・・・)

ここで、元の世界(日本)でもアレを見たことなかったです・・・とは言えない。

あああっ〜〜〜〜〜!!

「ええと、・・・大きいです・・・はい。あと、先っぽに大きくエラが張っていて・・・すごい・・血管が・・・すごいことに・・・」

右手の指先でバッキバキに浮き上がった血管をなぞってみる。

ピクピク動く・・・。

血管に張りを感じる。そして、全体的に硬いけど・・妙に弾力もある。

ビクッと団長の腹筋に力が入った。

「ミサキ・・・おい。感想じゃなくて・・だな・・。ミサキの元の世界(日本)

のものとの違いがあるかを知りたいのだが・・・」

「あっ・・・そうでっひた。(噛んだ)」

恥ずかしい!!

やってしまった!

それに・・・元の世界(日本)のアレって・・小さい頃に見た父親しか知らないし・・・。

多分・・・いや、変わらない(はず)

別にトゲがあるとか・・・色が違うとか変わったところはないし・・・、ある動物みたいに入れたら子種を出すまで抜けない・・みたいな仕様はなさそうだし・・・大丈夫・・・・

多分・・普通だろう。

そんなことを考えながら・・・何気なく、指先で先端をつつく。

「・・・・・ミサキ」

「ここから、えっと・・子種が出ます?」

「ああ、そうだ」

団長の声が微かにかすれている。

心なしか顔も赤いように感じる。

呼吸も少し荒いのかも・・・

なんだか・・可愛いい!!

「・・・・っ・・くっ・・・、ミサキ」

「あっ、ごめんなさい。痛かったですか?」

強く触りすぎたかと、慌てて手を離そうとした・・その手を団長が掴む。

「痛くはない・・・。だが、いたずらしすぎだ。

ここは敏感な場所だから・・ソッと触ってくれ。いいな?」

えっ・・・と、艶っぽい団長に諭すように言われてしまい・・・

私はただただ頷くことしか出来なかった。

「もう、いいな。ミサキ」

そう言って口角だけを上げて微笑んだ団長は、雄・・・

肉食獣を思い起こさせた。

団長は、自身のガウンを整える。

そして、それをただ呆然と見ていた私を真っ直ぐに見つめる。

そして・・・・団長の指先が私のガウンの紐を解いた。

えっっ〜〜〜〜!!

私の脳内の絶叫がすごい!!

「あのっ・・だ・・レオ?」

「こんな時だけ名前よびか?」

「だが、次は俺の番だ。俺もミサキをじっくり確認するとしよう」

あの・・・確認するのは、私だけでは・・・

そんな私の疑問に気がついたのか、

「まさか、ミサキだけが確認するつもりだったのか?

いや、そんなことはないだろう?

ミサキは受け入れる側の身体をもっている。

入れる側の俺を確かめたのだから・・・次は、受け入れる側だ・・

そうだな、ミサキ!」

それはそうなのだが・・・。

『はい、そうですね』・・・とは、言えない。

その団長が確認するって・・・えっと・・・どうやって・・??

「レオ、本気で!どうやって??」

団長は、動揺と困惑の表情の私を楽しそうに見つめながら頭を撫でる。

そんな優しく頭を撫でる団長ならと思って

『私はなしで・・・、ナナに確認してもらいます』と言いかけた・・・のだが、

団長に伝える前に・・・・

団長の大きな手の平が私の両頬を包みこんだ。

「俺は本気だ。優しく確かめると約束する!」

言葉は優しくて・・・気遣ってはくれているけど・・・

その内容は全然、これっぽっちも優しくない!!

とてもハードで強烈な内容だ!

ああっ〜〜どうしよう・・・

私の順番が来てしまったようです。

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